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    合成音声の読み上げ、理解の境界は毎分250〜300語 産総研ら11人で測定 全盲の利用者は標準の2.3倍で聞いている

    産業技術総合研究所と筑波技術大学、東京大学先端科学技術研究センターの研究チームは9月25日、画面の文字を合成音声で読み上げる「スクリーンリーダー」の利用者が、どこまで速い音声なら内容を理解できるかを数値で測る手法を開発したと発表した。視覚障害のある利用者11人に毎分150語から500語までの5段階で読み上げを聞かせたところ、毎分250〜300語のあたりが理解の境界となり、これを超えると理解度が大きく下がる傾向が確認された。普段使っている読み上げ速度は全盲の利用者で標準の約2.3倍、弱視の利用者で約1.4倍だった。手法は学力テストの分析などに使われる項目反応理論を応用したもので、理解できなかった原因が文章の難しさか読み上げの速さかを切り分けられる。成果は9月27日から10月1日までシドニーで開かれる国際会議で発表される。

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    千葉県中央部の地下を3次元で公開 ボーリング4000地点を解析 沖積層の砂の割合、東京下町より高いと判明

    産業技術総合研究所(産総研)は9月17日、千葉県域の地下の地質構造を立体的に示した「都市域の地質地盤図」の新しい2区域、「千葉県中央部」と「千葉県北部延長域」を公開したと発表した。千葉県環境研究センターとの共同研究で、4000地点に及ぶボーリング調査のデータを解析し、地下数十メートルまでの地層の分布を3次元で可視化した。2018年に立体図を公開した「千葉県北部地域」と合わせ、千葉県の中央部から北部までを網羅する3次元の地質地盤図が整った。解析の結果、養老川低地など低い土地の地下には、昔の谷を埋めるように軟弱な沖積層が広がっていることが立体的に示された。この地域の沖積層は、泥が多い東京下町の沖積層に比べて全体に砂の割合が高いことも分かった。房総半島の丘や台地をつくる砂の地層が川に削られて下流の低地に積もったためとみられる。地下水を多く含むゆるい砂の層は液状化が起きやすいとされ、砂の割合の地域差は地震災害のリスク評価に直結する。千葉県の低地と東京湾岸の埋立地では、1923年の関東地震と2011年の東北地方太平洋沖地震で液状化による大きな被害が出ており、首都直下地震でも被害が想定される。地質地盤図は産総研地質調査総合センターのウェブサイトで誰でも無償で閲覧でき、平面図・断面図・立体図のほか、解析に使ったボーリングデータも見られる。

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    ダイヤモンド半導体で「溝型」トランジスタ、世界初の動作実証 金沢大と産総研 300度でも正常に作動

    金沢大学ダイヤモンド研究センターの德田規夫教授らの研究グループは9月18日、産業技術総合研究所(産総研)先進パワーエレクトロニクス研究センターとの共同研究で、ダイヤモンドを使った「トレンチ型反転層チャネルMOSFET」の動作実証に世界で初めて成功したと発表した。MOSFETは電圧で電流を入り切りする半導体素子で、トレンチ型は半導体に掘った溝の側壁を電流の通り道に使う構造を指す。電流を縦方向に流すため通り道を多く詰め込め、余分な抵抗も生じないことから、電力変換時の損失を最も小さくできる構造とされてきた。作製した素子は室温に加えて300度の高温環境でも明瞭な動作を示し、電圧をかけていないときは電流が流れない「ノーマリーオフ」の特性も確認された。停電や異常時に自動で電流を止められるため、安全性の面で欠かせない性質だ。研究グループは、高温の水蒸気の中でダイヤモンドの炭素をニッケルに溶け込ませて削る独自のエッチング技術を使い、薬品やプラズマを使わずに狙った結晶面を側壁とする溝を形成した。同じグループは2016年8月に横型で世界初の動作実証を果たしており、今回は縦型構造へ一足飛びに進んだ形になる。論文は9月10日付で国際学術誌『Diamond and Related Materials』に掲載された。研究グループは構造の最適化でさらに損失を減らし、将来は電気自動車(EV)や電力網への搭載を目指す。