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ダイヤモンド半導体で「溝型」トランジスタ、世界初の動作実証 金沢大と産総研 300度でも正常に作動
金沢大学ダイヤモンド研究センターの德田規夫教授らの研究グループは9月18日、産業技術総合研究所(産総研)先進パワーエレクトロニクス研究センターとの共同研究で、ダイヤモンドを使った「トレンチ型反転層チャネルMOSFET」の動作実証に世界で初めて成功したと発表した。MOSFETは電圧で電流を入り切りする半導体素子で、トレンチ型は半導体に掘った溝の側壁を電流の通り道に使う構造を指す。電流を縦方向に流すため通り道を多く詰め込め、余分な抵抗も生じないことから、電力変換時の損失を最も小さくできる構造とされてきた。作製した素子は室温に加えて300度の高温環境でも明瞭な動作を示し、電圧をかけていないときは電流が流れない「ノーマリーオフ」の特性も確認された。停電や異常時に自動で電流を止められるため、安全性の面で欠かせない性質だ。研究グループは、高温の水蒸気の中でダイヤモンドの炭素をニッケルに溶け込ませて削る独自のエッチング技術を使い、薬品やプラズマを使わずに狙った結晶面を側壁とする溝を形成した。同じグループは2016年8月に横型で世界初の動作実証を果たしており、今回は縦型構造へ一足飛びに進んだ形になる。論文は9月10日付で国際学術誌『Diamond and Related Materials』に掲載された。研究グループは構造の最適化でさらに損失を減らし、将来は電気自動車(EV)や電力網への搭載を目指す。