米アップルは9月14日(米国時間、日本時間15日)、iPhone向けの「iOS 27」やmacOS 27など各基本ソフト(OS)の無料更新を一斉に配信し、全面刷新した対話アシスタント「Siri AI」のベータ版提供を始めた。ただし使えるのは当面、端末の言語を英語に設定した利用者に限られる。日本語を含む5言語への対応は10月以降となる。
日本語は「10月」と「年内」、二通りの書き方
アップルは米国のニュースルームで「Siri AIは英語のベータ版として提供を開始し、フランス語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語への対応は10月に行う」と記した。一方、日本語のサイトでは「Siri AIは英語から対応を開始し、年内に日本語でも利用できるようになります」と書いている。注記でも「最初は英語で利用できます。日本語には年内に対応する予定です」としており、10月と明示していない。日本語版の提供日は、現時点で確定した日付としては示されていない。
なお、日本語で使えないのは刷新後のSiri AIであって、従来のApple Intelligence自体は別だ。文章の要約や作成の支援といった既存機能は、端末とSiriの言語を日本語に設定すれば以前から使える。
画面を見て、アプリをまたいで動く
新しいSiriの中心は三つある。メッセージやメール、写真をまたいで利用者の文脈をたどる「パーソナルコンテクスト」の理解、画面に表示中の内容についての質問に答える「オンスクリーン認識」、そして複数のアプリにまたがる操作の実行だ。アップルは、メールの下書きを一から作るといった作業も頼めるようになると説明する。会話の履歴は専用の「Siri」アプリにまとまり、iPhoneで聞いたことの続きをiPadで再開できる。
使い放題ではない 「今後は有料で拡大」
無料の更新で届く機能だが、無制限ではない。アップルは注記で、Siri AI、写真の編集ツール、画像生成の「Image Playground」、ショートカットの「AFM 3 Cloud」モデルなど、端末内ではなくサーバ上のモデルに頼る機能には1日あたりの使用回数の上限があると明記した。上限は機能や要求の複雑さ、システムの混み具合などで変わるという。そのうえで「当該機能へのアクセスは今後、有料で拡大する予定です」と記しており、生成AIの重い処理を無料の範囲に収め続けるつもりはないことを示している。
対応機種と、地域による差
Siri AIを使うにはApple Intelligenceに対応した端末が必要で、アップルのサポート文書はiPhone 15 ProモデルとiPhone 16モデル以降、iPad mini(A17 Pro)とM1以降のiPad、Appleシリコン搭載のMac、Apple Vision Proなどを挙げている。Siri AIはiOS 27、iPadOS 27、macOS 27、watchOS 27、visionOS 27でベータ版として提供される。
地域による差も残る。欧州連合(EU)では当初、MacとApple Vision Proでしか使えず、iPhone・iPad・Apple Watchでは利用できない。中国では規制上の要件への対応が続いているとして、Siri AIと新しいApple Intelligenceの機能を提供しない。13歳未満の利用者も対象外としている。
刷新版のSiriは、6月の開発者会議「WWDC」で発表され、秋の提供が予告されていた。今回の配信はその実現にあたるが、日本の利用者にとっては、端末の更新が届いても中身がすぐ日本語で使えるわけではない、という一段の待ち時間が残った形だ。
