スクウェア・エニックスは9月18日、月刊「Gファンタジー」で連載中の枢やなの漫画「黒執事」が連載20周年を迎えたとして、20周年記念サイトを公開した。作者のメッセージや作品の20年をたどる長編の記念PVを掲載し、あわせて20周年を記念した展覧会を開くと明らかにした。

枢やな「彼らが辿り着く場所はもう少しだけ先に」

記念サイトに寄せたメッセージで、枢やなは「20年といえば、乳児が成人するほどの時間です」と切り出し、「そう思うと、セバスチャンとシエル、この二人と歩んできた道のりの長さをあらためて実感いたします」と記した。連載を続けてこられたのは編集部と読者の支えによるものだとして謝意を示し、「『黒執事』を通してさまざまな挑戦や経験をさせていただき、振り返れば実に充実した20年でした」と続けている。

そのうえで「これほど長い付き合いになるとは、正直なところ想像もしていなかったのですが…それでも、彼らが辿り着く場所はもう少しだけ先にあります」と書き、「そこまでの道のりを、一歩ずつ丁寧に、皆様とご一緒できましたら幸いです」と結んだ。物語がまだ途中にあることを、作者自身の言葉で示した形だ。

記念サイトはメッセージ、ムービー、コミックス、雑誌、グッズ、展覧会、ニュースの7項目で構成される。同日公開の記念PVについて同社は、物語だけでなく「アニメ・舞台・映画…様々な表現媒体を行き来することで世界中を愉しませ、漫画自体も更なる成長を遂げてきた、作品の歴史に焦点を当てた長編ムービー」と説明している。

展覧会は「大回顧展」 時期・会場は未定

今回の発表で新しい情報となるのが展覧会だ。同社は「20周年を記念した展覧会を開催します」としたうえで、「過去の原画展とは一線を画す、『黒執事』並びに『枢やな』のクリエイション濃度に圧し潰される、大回顧展となる予定です」と記した。開催時期や会場、内容といった詳細は決定し次第、随時発表するとしている。

原画展が作品の絵を見せる催しであるのに対し、回顧展は一人の作家の活動全体をたどる形式を指す。同社の説明は、作品単位ではなく作家・枢やなの創作そのものを対象に据えることを示している。

記念号は18日発売、単行本36巻は26日

同日発売のGファンタジー2026年10月号は20周年記念号で、描き下ろし表紙と付録に加え、作品の歴史を振り返る特集記事を収録する。単行本36巻は26日に発売され、「青の復讐編-南(ブライトン)の章-」が本格的に動き出す。枢やな自身が手掛けるグッズブランド「黒執事 Black Label」からも記念グッズを発表する予定で、同ブランドは10周年を超え、現在はPOP UP STOREを実施している。

小売り側でも企画が動く。アニメイトは9日、20周年記念のコミックフェアを全4弾で開くと発表した。第1弾は18日から10月31日まで、全国のアニメイトとアニメイト通販で実施し、対象商品1冊の購入ごとに「複製ミニ色紙」(全9種、過去の絵柄の復刻)を1枚渡す。第2弾は12月14日から2027年1月31日、第3弾は2027年3月1日から5月5日、第4弾は2027年ごろを予定している。

20周年が9月18日である理由

Gファンタジーは毎月18日に発売される。黒執事の連載開始は2006年10月号で、この号が店頭に並んだのが2006年9月18日にあたる。記念サイトが「2006-2026」と掲げ、周年の日を9月18日に置いているのはこのためだ。20年前に連載が始まった同じ日付に、記念号が発売される形になった。

スクウェア・エニックスの公式情報によると、この20年の間に作品はテレビアニメ「黒執事」シリーズと「黒執事II」(いずれもアニプレックス)、劇場版アニメ「黒執事 Book of the Atlantic」、ワーナー・ブラザース配給の実写映画「黒執事」、ミュージカル「黒執事」へと広がった。記念PVが「様々な表現媒体を行き来することで」と説明するのは、この展開の積み重ねを指している。