小惑星探査機「はやぶさ2」が7月5日夕方、小惑星「トリフネ」のすぐ近くを通り過ぎながら観測する「フライバイ」に挑む。JAXA(宇宙航空研究開発機構)によると、最接近は同日午後6時30分ごろ(日本時間)の予定だ。時刻は運用の状況によって前後する可能性がある。

秒速5キロで最接近

フライバイとは、探査機が天体に着陸せず、その近くを高速で通り過ぎながら観測することをいう。今回、はやぶさ2はトリフネの中心から約1キロまで近づき、トリフネに対して秒速約5キロ(時速に直すと約1万8千キロ)という猛スピードですれ違いながら、カメラなどで観測する。

トリフネ(仮符号2001 CC21)は、地球の近くを回る「地球接近小惑星」の一つだ。直径500メートル程度の細長い形をしていると推定されている。すれ違う一瞬でどこまで姿をとらえられるかが挑戦となる。

リュウグウ帰還後の「第2の任務」

はやぶさ2は2014年12月に打ち上げられた。2018年6月に小惑星「リュウグウ」に到着し、世界で初めて小天体の表面に人工のクレーターを作るなどの成果を挙げた。2020年12月には、リュウグウの砂などの試料を収めたカプセルを地球へ持ち帰る「サンプルリターン」に成功した。

本体は燃料に余裕があったため、地球には戻らず宇宙にとどまり、新たな探査を続ける「拡張ミッション」に入っている。今回のトリフネ観測は、その途上で行う任務だ。

次の目的地は2031年

はやぶさ2は、トリフネのフライバイを終えたあと、2027年12月と2028年6月に地球のそばを通る「スイングバイ」を行う。スイングバイは、地球の引力を利用して探査機の速度や進む方向を変える技術だ。

そのうえで、2031年7月には別の小惑星「1998 KY26」への接近をめざす。小惑星は太陽系ができたころの物質を残しているとされ、その素性を詳しく調べることは、太陽系や地球の成り立ちを解き明かす手がかりになると考えられている。