「はじめてのおつかい」「こんとあき」などで知られる絵本作家の林明子さんが亡くなった。版元の福音館書店が7月8日、公式X(旧ツイッター)などで明らかにした。同社の発表によると、7月1日に肺炎のため亡くなった。81歳だった。

子どもの日常を温かく描く

福音館書店は公式Xで、「絵本作家の林明子さんがお亡くなりになりました」と伝え、「『はじめてのおつかい』(筒井頼子さんとの共作)、『こんとあき』『おつきさまこんばんは』など、子どもたちへの愛情に満ちた温かな作品を、数多く残してくださいました」とつづった。そのうえで「謹んでお悔やみ申し上げます」と哀悼の意を表した。

林さんは1945年生まれ。子どもの何気ない日常のしぐさや表情を、緻密で柔らかな水彩画で描くことで知られた。デビューから半世紀にわたり第一線で活躍し、その絵本は親から子へと世代を超えて読み継がれてきた。

幅広い世代に親しまれた代表作

代表作の一つ「はじめてのおつかい」は、幼い女の子が初めて一人でおつかいに出かける物語で、作家の筒井頼子さんが文、林さんが絵を担当した。1977年の刊行以来、長く読み継がれるロングセラーとなっている。

自ら文も手がけた「こんとあき」は、女の子のあきと、ぬいぐるみの「こん」が旅をする物語。赤ちゃんに語りかける「おつきさまこんばんは」も、多くの家庭で親しまれてきた。いずれも、子どもが安心してページをめくれる、まなざしの優しい作品として支持を集めた。

トレンドに追悼の声

訃報が伝わった7月8日、X(旧ツイッター)では「林明子さん」や「こんとあき」「はじめてのおつかい」といった言葉が相次いでトレンドに入った。幼いころに作品を読んでもらった思い出とともに、その死を惜しむ声が数多く寄せられた。子どもの世界を丁寧にすくい取った絵は、これからも読み継がれていく。