インドネシア国家警察は15日、ジャワ海で13日未明に沈没したフェリー「KMバーゴ・トランスポート8」について、乗客乗員243人のうち114人を発見したと発表した。内訳は救助された生存者が108人、死亡が6人で、残る129人は依然として行方が分かっていない。発表は同日午前11時半(西部インドネシア時間)時点の集計に基づく。
出航後に船体が傾き、午前2時5分に交信途絶
同船はジャワ島東部の港湾都市スラバヤを出て、海を挟んだ対岸のカリマンタン島(ボルネオ島)南部の港町バンジャルマシンへ向かっていた。警察によると、13日午前2時5分(中部インドネシア時間)に交信が途絶えた。沈没したのは南カリマンタン州タンジュン・セラタン沖で、ジャワ海の北東部に浮かぶマサレンブ島に近い海域だ。全長110メートル超、幅21メートル超、空船時の重量は4200トンを超える大型船だった。
最後に確認された位置は南緯4度32分、東経114度01分付近。警察はこの地点からおよそ5カイリ(約9キロ)の範囲を中心に捜索を進め、その後、北側の南緯3度49分、東経114度18分付近まで海域を広げている。
波1.5〜2.5メートル、風35ノット ヘリが遺体2体をつり上げ
現場は荒天が続いている。警察が示した海象条件は、波高1.5〜2.5メートル、風速25〜35ノット(毎秒約13〜18メートル)。14日時点でも波高2〜2.5メートルの状態だった。
15日には、警察のヘリコプター「ドーファンAS365N3」(機体番号P-3103)がバンジャルマシン空港からおよそ80カイリ(約148キロ)離れた海上へ向かい、タグボート上に収容されていた遺体2体を、かごを使ったつり上げ方式で機内に引き上げた。飛行は現地時間の午前10時8分から午後0時8分までの2時間に及び、その間の風速は35〜40ノットに達していた。搬送された遺体は同空港に降ろされ、警察の身元確認部門に引き渡された。
海上では警察の巡視船が捜索に加わっている。事故当日には南カリマンタンからKPラクサマナ7012、中部カリマンタンからKPイビス6001、スラバヤからKPマニャール5003の計3隻が出港した。現場までの距離はそれぞれ80カイリ、103カイリ、200カイリで、到着までに7時間、9時間、24時間を要する見込みだった。航空機はドーファンのほか、AW169(機体番号P-3309)も投入されている。
身元確認に140人 5か所に拠点
死者が出たことを受け、警察は身元確認(DVI)の専門要員を大規模に集めた。南カリマンタン州警察から66人、東ジャワ州警察から56人、本部の法医学センターから法医4人を含む18人の計140人が動員され、5か所に確認拠点が置かれている。
DVIは、遺体の歯型や指紋、DNAなどを生前の記録と照合して個人を特定する国際的な手順を指す。大規模災害や航空機事故のように、犠牲者が多く外見からの判別が難しい場面で用いられる。今回は発見された6人のうち2人の身元が確定し、4人は照合が続いている状態だ。
島を結ぶ生活の足 救助された108人の多くは退院
インドネシアは1万を超える島からなる国で、島と島を結ぶ長距離フェリーは航空便の届かない地域にとって欠かせない生活の足となっている。今回の航路も、ジャワ島とカリマンタン島という2つの主要な島を結ぶ幹線にあたる。
救助された108人のうち、15日時点で入院中は16人、92人はすでに退院した。警察の広報担当者は、波の条件が厳しい中でも巡視船による海上の捜索を継続し、要員の安全を最優先しながらインドネシア捜索救難庁(バサルナス)の作業を支援していくと説明している。捜索は発生から4日目に入り、警察は海上と航空の両面から態勢を維持する方針を示している。
