一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、日本ゲーム大賞2026の年間作品部門の大賞を「ぽこ あ ポケモン」(ポケモン)に決めたと発表した。15日に東京都千代田区のヒューリックホール東京で開いた発表授賞式で明らかにした。今回で30回目を迎えた同賞は、2025年6月1日から2026年5月31日までに国内で発売された作品が対象で、6月12日から7月17日まで受け付けた一般投票と選考委員会の審査を経て各賞を決めている。
5歳から79歳まで投票 大賞は「ぽこ あ ポケモン」
大賞の「ぽこ あ ポケモン」について、CESAは「ポケモン初のスローライフサンドボックスゲーム」と位置づけた。サンドボックスとは、決められた筋書きをたどるのではなく、砂場で遊ぶように用意された世界で自由に手を加えられる作りを指す。出会ったポケモンの技を使って街を開拓したり、野菜を育てて料理をしたりと、遊び方をプレイヤーが決める。現実の時間と連動する世界で過ごす点も特徴で、CESAは「トレーナー視点、バトルといったポケモンならではのゲームシステムから離れ」た点を評価した。一般投票では5歳から79歳までの票を集めたという。
年間作品部門では、大賞作を含む計12作品が優秀賞に選ばれた。このうち独創的な作品に贈るブレイクスルー賞はカプコンの「PRAGMATA」、社会現象を起こした作品に贈るムーブメント賞はLEMORIONの「めっちゃカメレオン」が受賞した。「めっちゃカメレオン」は、体にペイントして周囲に溶け込む「かくれんぼ」の対戦ゲームで、発売から約2カ月で世界販売本数が2000万本を超えている。特別賞は映画「ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー」に贈られた。
経済産業大臣賞は「ポケットモンスター」 発売30年
経済産業大臣賞は「ポケットモンスター」が受賞した。同賞は近代のゲーム産業の発展に寄与した人物や制作チーム、プロジェクトに贈る賞として2008年に設けられたもので、年間作品部門とは別枠で選考委員が決める。
CESAは受賞理由で、1996年にゲームフリークが開発したゲームボーイ用ソフト「ポケットモンスター 赤・緑」が交換や対戦、収集といった「それまでにない遊び」を生んだことを挙げた。1997年に国内でテレビアニメの放映が始まり、翌1998年には北米でも放映とソフト発売が始まったこと、カードゲームや映画、ライセンス商品へ広がって「世代や国・地域を越えて共有、支持される一つの文化」を築いたことも評価した。2016年配信開始の「Pokémon GO」が、現実の風景に情報を重ねるAR(拡張現実)ゲームや位置情報ゲームを一般層にまで広げたことにも触れている。第1作の発売から30年の節目での受賞となった。
「ゲームデザイナーズ大賞」は17回で終了
日本ゲーム大賞のもう一つの賞である「ゲームデザイナーズ大賞」は、今年の発表を最後に終了した。ゲーム業界を代表する作り手自身が「創造性」や「斬新性」を基準に1作品だけを選ぶ賞で、一般投票で決まる年間作品部門とは評価軸を分ける狙いで、桜井政博氏が2010年に創設した。「星のカービィ」「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズの生みの親として知られる同氏が審査員長を務め、今年の審査員は飯田和敏、イシイジロウ、上田文人、神谷英樹、小高和剛、須田剛一、トビー・フォックス、外山圭一郎、三上真司、ヨコオタロウの各氏を含む11人だった。
最後の受賞作は「文字遊戯」(Team9)に決まった。登場人物や背景を含めてすべて文字で構成した作品で、文字の配置が情景や地形を表し、キャラクターのように動く。主人公である「我」がテキストの意味や文脈を書き換えて進む仕掛けで、桜井氏は「日本語でしか成立しない内容に見えて、繁体字中国語からのローカライズ作品」である点にも触れ、「生まれ難く、真似できない本作は、最後のゲームデザイナーズ大賞授賞にふさわしい」とした。第二次審査の得票数も「圧倒的だった」という。
桜井氏は賞の総括として「独創性というものは売上には直接繋がりにくいこともありますが、独創性を失った業界というものは、ゆっくりと消えていくだけなのです」とコメントし、「新しさや独創性、その作品にしかないものに目を向けていただけたら幸いです」と結んだ。CESAは終了の理由を「その役割を終えることとなりました」と説明するにとどめ、後継の賞を設けるかどうかは明らかにしていない。
17日開幕の東京ゲームショウでフューチャー部門
日本ゲーム大賞にはもう一つ、未発売作品を対象とする「フューチャー部門」がある。17日から21日まで千葉市の幕張メッセなどで開かれる東京ゲームショウ2026で発表・展示された未発売作品が対象で、出展社の公式番組内で発表された作品も含む。
投票は17日午前10時から19日午後4時まで、公式サイトでのオンライン受け付けとなる。発表授賞式は20日午後1時から、会場のイベントステージで開く予定だ。年間作品部門の授賞式が会期前に都内で開かれるのに対し、フューチャー部門は会場で決まる仕組みになっている。
