シャープは、フラッグシップスマートフォン「AQUOS R11」のオープンマーケット向けSIMフリーモデル(型番SH-M35)を7月9日以降、日本と台湾で順次発売した。RAM12GB・ROM512GBの1構成で、色はネイビー、アイボリー、テラコッタの3色。商品化は6月16日に発表していた。国内ではSIMフリーモデルに加え、NTTドコモとソフトバンクも取り扱う。
撮った写真の文字を自動で隠す「プライバシーセーフ」
今回の目玉は、SNS時代のプライバシーに踏み込んだ新機能「プライバシーセーフ」だ。撮影した写真に写り込んだ標識や看板などの文字を、その場で自動的に検出してマスキング(ぼかし・塗りつぶし)する。旅行先や街中で撮った1枚をそのままSNSに投稿すると、背景の住所表示や店名、案内板から撮影場所が特定されてしまう恐れがある。こうした「意図しない情報の写り込み」を、投稿者が手作業で消さなくても端末側で自動処理する狙いだ。
カメラではもう一つ、被写体に応じてズーム倍率をAIが自動調整する「スマートフィットズーム」も搭載した。専用アイコンをタップするだけで最適な画角に合わせる機能で、望遠撮影のたびに倍率を手で探る手間を減らす。カメラ本体はライカカメラ社が監修し、標準50.3メガピクセル、広角50.3メガピクセル、望遠38.5メガピクセルのトリプル構成とした。
画面とバッテリーを強化、心臓部は最新チップ
ディスプレイは、シャープが独自に開発してきた省電力技術「IGZO」を使った約6.5インチのPro IGZO有機ELを採用。ピーク輝度は3,600nitで、従来機「AQUOS R10」の約1.2倍に明るくした。nit(ニト)は画面の明るさを表す単位で、数値が大きいほど直射日光下でも見やすい。周囲の明るさに応じて画像の暗部を自動で持ち上げる「スマートアウトドアビュー」も備え、屋外での視認性を高めている。
心臓部の頭脳にあたるチップは、米クアルコムの「Snapdragon 8s Gen 4」。AQUOS R10と比べてCPU性能で約13%、GPU性能で約40%向上したという。GPUはゲームや映像処理を担う部分で、この伸びが大きいのは高負荷なゲームや動画編集を意識した設計とみられる。電池はAQUOSシリーズ最大となる5,100mAhを積み、通常の使い方で約2日間もつとしている。通話中の周囲の騒音を抑える「Vocalist」など、日常使いの機能も加えた。
AQUOS「R」シリーズの位置づけ
「AQUOS R」は、シャープのスマートフォンの中で最上位に位置するフラッグシップの系列だ。廉価・中位の「AQUOS sense」や「wish」とは異なり、最新の高性能チップや先進の撮影機能を毎年投入する看板シリーズにあたる。今回のR11は、処理性能や画面の明るさといった基本性能を底上げしつつ、「撮った後のプライバシー保護」という切り口で差別化を図った格好だ。国内スマホ市場は米アップルのiPhoneが高いシェアを握るなか、国産勢が独自機能でどこまで存在感を示せるかが問われている。