シンエイ動画(東京都西東京市)は9月19日、雁屋哲氏原作・花咲アキラ氏作画の漫画『美味しんぼ』を原作とする新作テレビアニメ『新 美味しんぼ』を制作すると発表した。同社の公式サイトの作品一覧で1988年の作品として掲げられているテレビアニメ以来の映像化になる。創立50周年を記念した企画で、渋谷で開かれている「ABEMAアニメ祭 2026」のステージで明らかにした。
発表の場となったABEMAアニメ祭2026は、AbemaTVが9月19日と20日の2日間、MIYASHITA PARKなど渋谷周辺の施設で開いている催しだ。シンエイ動画はこのうち19日の「創立50周年記念」スペシャルステージで新情報を出した。
公表されたのは「制作決定」まで
同社は発表に合わせ、YouTubeで超ティザーPVを公開した。発表文では「"究極"の"食"アニメここに復活!」と打ち出している。
一方で、放送時期や放送局、監督をはじめとするスタッフ、声の出演は今回の発表に含まれていない。明らかになったのは、原作が小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載の『美味しんぼ』であることと、タイトルが『新 美味しんぼ』になることまでだ。あわせて作品公式のYouTubeチャンネルとXアカウントが示された。
次の動きは9月25日に置かれている。同日午後8時から、YouTube限定の特別映像「美味しんぼ入門 傑作エピソードまとめ」をプレミア公開する予定だ。題名のとおり過去の代表的な回をまとめた内容で、新作の映像ではない。
連載43年、単行本は111巻
原作の『美味しんぼ』は1983年に「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載が始まった。小学館コミックの既刊一覧によると、単行本は第111巻まで刊行されている。連載開始から43年が経つ長寿作で、同サイトでは第1巻から第6巻を10月1日まで無料で読めるキャンペーンも実施中だ。
前のテレビアニメが始まった1988年からは38年が経つ。その間に単行本は積み上がり続けた一方、テレビアニメの新作は途絶えていた。今回の発表は、長く止まっていた映像展開を再び動かすものになる。
同じ日に『あたしンちNEXT』の新エピソードも
シンエイ動画は同じステージで、けらえいこ氏原作の『あたしンちNEXT』についても新エピソードの制作決定を発表した。監督は、テレビアニメ『ヤニねこ』を手がけた木村拓氏が新たに務める。
声の出演は、母役の渡辺久美子さん、みかん役の折笠富美子さん、ユズヒコ役の阪口大助さん、父役の緒方賢一さんが担当する。ティザームービーも同日公開された。旧作から続く配役をそのまま置き、監督を入れ替える布陣となっている。
50周年、旧作を掘り起こす一年
シンエイ動画は1976年9月9日、有限会社エイプロダクションを改組して発足した。2026年9月9日で創立50周年を迎え、記念サイトと記念PVを公開している。代表作には1979年に放送が始まった『ドラえもん』、1992年放送開始の『クレヨンしんちゃん』などが並ぶ。
節目の企画は展示にも及んでいる。杉並アニメーションミュージアム(東京都杉並区)では「シンエイ動画50周年展」が開かれており、前期は7月25日から10月4日まで『忍者ハットリくん』『怪物くん』『クレヨンしんちゃん』などを、後期は10月6日から11月29日まで『ドラえもん』や『美味しんぼ』などを展示する。セル画といった制作途中の資料や、3.6メートルの巨大年表も並ぶ。
同社は9月に入ってからも発表を重ねている。15日には『映画ドラえもん のび太の蒸気時間車』の公開日を2027年3月5日と決め、17日には『パンどろぼう』のメインPV第2弾と新たな配役を公開した。『新 美味しんぼ』の続報がいつ出るかは示されておらず、当面の予定は9月25日の特別映像の公開となる。
