一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は9月18日、東京ゲームショウ2026で開いたインディーゲームのピッチコンテスト「センス・オブ・ワンダー ナイト 2026」(SOWN2026)の受賞作を発表した。最高賞にあたるAudience Award Grand Prixには、日本から応募した宮澤卓宏さんのアクションゲーム『顔UFO』が選ばれ、賞金3,000米ドルが贈られた。

ピッチコンテストは、開発者が自分の企画を短時間で売り込み、審査員と観客の評価を受ける催しを指す。SOWNでは選ばれた開発者本人が舞台に立ち、まだ世に出ていない作品の狙いを語る。

1作で4冠、応募151作から8組に絞り込み

『顔UFO』は最高賞に加え、Best Experimental Game Award(実験性)、Best Game Design Award(ゲームデザイン)、Best Presentation Award(プレゼンテーション)も受賞した。SOWN2026で名前の付いた賞は7つあり、そのうち4つを1作で占めたことになる。最高賞以外の各賞の賞金は500米ドルだ。

2番手のAudience Award Semi-Grand Prixには、中国のP.F.J.が応募したシミュレーション・パズル『UNKNOT! -アンノット!-』が選ばれた。日本の127号室による『Legacy Code』は、Best Technological Game Award(技術)とBest Arts Award(アート)の2つを受けている。

コンテストは9月17日午後3時50分から、幕張メッセの国際会議場で開かれた。応募は151タイトルで、審査委員会がファイナリスト8組を決めた。8組の内訳は日本が4組で、中国・台湾・韓国・チェコが各1組となっている。審査委員長はデジタルハリウッド大学大学院教授の新清士氏が務めた。

「世界が少し変わる」感覚を探す5つの物差し

CESAはSOWNを、「見た瞬間、コンセプトを聞いた瞬間に、世界が少し変わったと感じる」感覚を呼び起こすゲームのアイデアを発掘する企画と位置づけている。選考の対象になるのは、「新感覚」「新常識」「創発性」「意欲刺激」「驚き」の5項目のいずれかに当てはまる作品だ。

たとえば「新感覚」は、画像認識やジェスチャー操作など、これまでゲームに使われてこなかった技術を応用した体験を指す。「創発性」は、AIの相互作用やツール的な要素によって、遊ぶ人の行動そのものをゲームが巻き込んでいく作品を想定している。完成度や売れ行きではなく、着想の新しさを正面から測る物差しになっている。

19回目、原点は2001年のGDC

SOWNは今年で19回目だ。CESAは公式サイトで、2001年にGame Developers Conference(GDC、米国で毎年開かれるゲーム開発者向けの会議)で始まった「Experimental Gameplay Workshop」から多くのインスピレーションを受けたと明記している。実験的な作品を業界の表舞台に引き上げる場を、日本の見本市の中に置いた形だ。

このほか、TGS2026のインディーゲーム公式アンバサダーを務める動画クリエイターのポッキーさんが選ぶ「ポッキー賞」には、英国のHugecalf Studiosによる『連帯責任』、韓国のEasy Foxによる『妹に運転を教える』、チェコのValentin Wirthさんによる『Become』の3作が選ばれた。ポッキー賞は、SOWNと無料出展枠「SELECTED INDIE 80」に寄せられた151タイトル全体から、実況者として遊びたい作品を選ぶ賞で、受賞3作のプレー動画は後日、ポッキーさんのYouTubeチャンネルで公開される。

プレゼンテーションと授賞式の模様は、TGS2026の公式番組で9月18日午後7時から配信された。東京ゲームショウ2026は9月21日まで幕張メッセで開かれ、CESAは30万人の来場を見込んでいる。