富山県の新田八朗知事は7月8日の記者会見で、富山空港の愛称を、現在の「富山きときと空港」から「富山高山すし空港」に変更すると発表した。人気観光地の名や県の食の魅力を前面に出し、利用者の増加につなげる狙いがある。

「高山」は隣の岐阜県の地名

新しい愛称の「高山」は、富山県の隣、岐阜県にある高山市を指す。古い町並みで知られる飛騨高山は国内外から観光客を集める人気の観光地で、富山空港がその玄関口の一つになることをアピールする。

愛称に他県の地名を取り入れるのは、全国でも2例目という珍しい試みだ。県境を越えて広域で観光客を呼び込もうという発想がうかがえる。「すし」の部分は、富山湾でとれる新鮮な魚を使った寿司など、県自慢の食の魅力を打ち出したものだ。

狙いは利用者増とインバウンド

愛称変更の背景には、富山空港の利用者が減少傾向にあることがある。県は、覚えやすく話題性のある愛称で空港の知名度を高め、とくに外国人観光客(インバウンド)の取り込みを進めたい考えだ。空港は地域経済や観光の入り口となるだけに、利用者の確保は県にとって重要な課題となっている。

全国唯一の「河川敷空港」

富山空港は1963年(昭和38年)に開港した。富山市内を流れる神通川の河川敷に滑走路がある、全国で唯一の「河川敷空港」として知られる。市街地に近く利便性が高い一方、川の増水時には運用に配慮が必要という特徴を持つ。長く親しまれてきた「きときと空港」から新たな愛称へと看板を掛け替え、県は空の玄関口の再浮上を目指す。