環境省は11日、リチウムイオン電池が原因の火災を防ぐための「リチウムイオン電池による火災防止強化キャンペーン」を、今年は10月から12月までの3か月間実施すると発表した。このうち11月を「リチウムイオン電池による火災防止月間」とし、周知と啓発を集中させる。

期間は4か月から3か月へ、月間は11月のまま

環境省によると、昨年度のキャンペーンは9月から12月までの4か月間で、そのうち11月を火災防止月間としていた。今年は開始を10月に1か月遅らせ、期間を3か月に絞る。月間を11月に置く点は変えていない。

期間中は関係省庁や、啓発・回収に取り組む事業者らと連携して情報発信を行い、啓発物の公表やイベント開催を進める。電池の火災防止を扱うシンポジウムも開く予定だ。

目玉となるのが、Jリーグとの連携協定に基づく取り組みだ。10月から12月にかけて、公式戦の試合会場6か所に環境省のブースを出展し、発火の危険性や正しい捨て方を伝えるとともに、リチウムイオン電池などの回収も行う。連携するのはセレッソ大阪、V・ファーレン長崎、ジェフユナイテッド市原・千葉、ブラウブリッツ秋田、ヴァンフォーレ甲府、モンテディオ山形の6クラブで、具体的な日程は追って公表される。

「LiBパートナー」は148件

環境省は、リチウムイオン電池の火災事故防止につながる啓発や回収、イベントを実施する自治体・事業者を募り、「LiB(Lithium-ion Battery=リチウムイオン電池)パートナー」として認定している。9月8日時点の認定数は自治体が59件、事業者等が89件で、合わせて148件となっている。

こうした取り組みが続くのは、廃棄物処理の現場で電池由来の火災が繰り返し起きているためだ。環境省は特設サイトで、近年は廃棄物処理施設や収集運搬車両でリチウムイオン電池等に起因する火災事故が頻繁に発生していると説明している。同省は2025年5月に火災が起きた産業廃棄物処理施設を取材した啓発動画も公開した。

同省が特設サイトで示した分析によると、発火した品目には小型で安価なものや、表面がプラスチックのものが多い傾向がある。原因としては、利用者が見た目から危険性や適切な分別区分を把握しにくいことが挙げられている。電池が入っていると気づかれないまま、ほかのごみに混ざって出されてしまう構図だ。

事故はモバイルバッテリーが最多、夏にピーク

製品事故の情報を集めている製品評価技術基盤機構(NITE)は7月15日、2021年から2025年までの5年間に通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故が2140件あったと公表した。製品別ではモバイルバッテリーが最も多く、事故は気温の上昇とともに春から夏にかけて増え、8月にピークを迎えるという。

NITEと環境省が共通して呼びかけているのが「3つのC」だ。「賢く選ぶ(Cool choice)」は、販売事業者の連絡先や製品情報、リコール情報を確認したうえで買うこと。「丁寧に使う(Careful use)」は、高温になる場所で使ったり保管したりせず、強い衝撃や圧力を加えないこと。「正しく捨てる(Correct disposal)」は、廃棄するときにリチウムイオン電池が使われているかを確かめ、メーカーの回収や自治体の回収区分に従うことを指す。

環境省はキャンペーン期間に合わせた周知への協力を求めており、Jリーグ各会場でのイベント日程を今後公表する。