国民生活センターは、「かつら用」として販売されているヘナ製品を、人の頭髪の毛染めに使ってアナフィラキシーを起こした事故があったとして、注意を呼びかけている。美容所(美容室)での施術中に起きたもので、同センターは「かつら用の製品を頭髪に使ってはいけない」と強く警告している。

「かつら用」のヘナで何が起きたか

きっかけは、医師から事故情報が寄せられる「ドクターメール箱」への報告だった。美容所で毛染めの施術を受けた際、本来は頭髪用ではない「かつら用」のヘナ製品が使われ、含まれていた酸化染料が原因でアナフィラキシーショックを発症し、救急搬送されたという。

アナフィラキシーは、じんましんや血圧の低下、意識がもうろうとするなど、全身に急激に現れる重いアレルギー反応で、命に関わることもある。

国民生活センターがかつら用の3銘柄を調べたところ、すべてに酸化染料が1.8〜3.0%含まれていた。中には、かつら用という用途の表示がない銘柄や、含まれる酸化染料が表示されていない銘柄もあった。さらに、販売サイトには安全性をうたう宣伝や、人の頭髪にも使えると受け取れる広告が見られたという。

「ヘナ=安全」とは限らない

ヘナは本来、植物の葉から採れる染料で、「自然由来でやさしい」というイメージを持たれやすい。しかし、市販のヘナ製品の中には、しっかり色を入れるために化学的な「酸化染料」を混ぜたものがある。

問題となる酸化染料の代表が「パラフェニレンジアミン(PPD)」だ。一般的なヘアカラー(白髪染め)にも広く使われている成分で、アレルギー性の接触皮膚炎を起こしやすい。やっかいなのは、これまで問題なく使えていた人でも、繰り返し使ううちに体質が変化し、ある日突然、重いアレルギー反応が出ることがある点だ。

消費者が気をつけること

まず、製品の用途表示を確認し、「かつら用」と書かれたものを自分の髪に使わないことが基本となる。成分表示に酸化染料やジアミンの記載がないか、確認することも大切だ。

そのうえで、初めて使う製品や久しぶりに使う製品では、事前に腕の内側などで試す「パッチテスト」を行い、赤みやかゆみが出ないかを確かめることが勧められる。毛染めの最中や後に、皮膚のかゆみ、腫れ、息苦しさなどの異常を感じたら、すぐに使用をやめて医療機関を受診するよう、国民生活センターは呼びかけている。