米マイクロソフトは、ビジネス向けのチャット・会議ツール「Microsoft Teams」で、会議中に使われるAI機能を、参加者が途中で個別にオン・オフできる新しい切り替え機能を導入する。7月上旬から段階的に配信し、7月末までに一般に提供する予定だ。
オフにできる3つのAI機能
対象となるのは、Teamsの会議で働く3つのAI機能だ。一つ目は「Copilot(コパイロット)」で、会議の内容を要約したり、参加者の質問に答えたりする。二つ目は「Recap(リキャップ)」で、会議の議事録や録画の要点を自動でまとめる。三つ目は「Facilitator(ファシリテーター)」で、議論を先回りして整理したり、発言を促したりする。
新機能では、会議の主催者や発表者が、これら3つをそれぞれ個別にオフにしたり、まとめてオフにしたりできる。設定は会議の途中でも変更でき、Windows、Mac、スマートフォン、ウェブなど、あらゆる端末で使えるという。
背景にプライバシーへの懸念
こうした会議AIは、議事録づくりや情報共有を効率化する便利な機能だが、その一方で、「発言が常にAIに記録され、要約されているのではないか」という不安の声も上がっていた。とくに、Facilitatorが自動で先回りして動くことに対しては、利用者から反発があったとされる。
今回の切り替え機能は、こうした懸念に応えるものだ。機微な話をする場面ではAIをオフにし、必要なときだけオンにする、といった使い分けがしやすくなる。便利さと安心感のどちらを取るかを、利用者自身が選べるようにした形だ。
文字起こしと連動、企業の管理も
会議AIは文字起こし機能と連動している。会議AIをオンにすると文字起こしも自動で始まり、要約が作られる。逆に、文字起こしを始めると会議AIも有効になる。
なお、この機能を使えるようにするかどうかは、これまで通り企業(組織)側の管理者が設定するポリシーで決まる。個人が勝手に会社のルールを超えて使えるわけではない。AIをどこまで使い、どこで止めるのか。利用者に選択肢を返す動きは、AIが職場に急速に広がるなかで、各社が向き合う課題となっている。