米航空宇宙局(NASA)は9日、月探査計画「アルテミス」の3回目の有人ミッション「アルテミスIII」の搭乗員4人を発表した。船長にベテランのランディ・ブレズニク飛行士を据え、欧州宇宙機関(ESA)のイタリア人飛行士1人を含む。2027年の打ち上げを目指す。

搭乗員の顔ぶれ

NASAによると、4人の内訳は、船長がブレズニク飛行士、操縦士がESA(イタリア)のルカ・パルミターノ飛行士、ミッションスペシャリストがフランク・ルビオ飛行士とアンドレ・ダグラス飛行士。予備搭乗員にはボブ・ハインズ飛行士が指名された。発表は、米テキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センターで行われた。

地球周回での着陸船試験

アルテミスIIIは、2027年に地球を回る軌道で行う試験飛行と位置づけられている。宇宙船「オリオン」の各システムを点検したうえで、月着陸船と初めて接近・ドッキングする能力を実証する。着陸船は、米ブルーオリジンとスペースXがそれぞれ開発を進めており、その試験機が対象となる。

月面着陸は次の「IV」で

このミッションは、2028年に予定する次の「アルテミスIV」への準備にあたる。月の南極への初の有人着陸は、このアルテミスIVで行う計画だ。今回ESAの飛行士が操縦士に選ばれたように、アルテミスは米国が主導しつつ、各国の宇宙機関が役割を分担する国際的な枠組みで進む。

日本もこの枠組みに参加しており、将来のミッションでの日本人飛行士の月面着陸が想定されている。アルテミスは1回の着陸で終わらせず、月面での持続的な活動と、その先の火星探査をにらんだ長期計画と位置づけられている。月に降りる着陸船の開発を担う民間企業の進み具合が、今後の日程を大きく左右することになる。