映画「八つ墓村」の公式サイトは9月17日、同作が10月8日から18日までスペインで開かれる第59回シッチェス・カタロニア国際映画祭のパノラマ部門に出品され、監督の清水崇に生涯功労賞が贈られると発表した。清水は7月にカナダで開かれたファンタジア国際映画祭でもキャリアをたたえる賞を受けている。功労賞は今年2つ目だ。
賞の名は「タイム・マシン賞」、受賞は5人
シッチェス映画祭が9月4日に公式サイトで公表した第59回の概要によると、清水に贈られるのは「タイム・マシン賞」である。映画祭はこの賞を「映画祭と、とりわけ幻想映画のジャンルと特別な関係を築いてきた映画人や団体の生涯の功績をたたえるもの」と定義している。今年の受賞者は清水のほか、米国のロバート・エガース監督、香港のアクション設計で知られるユエン・ウーピン、映画編集者のボブ・ムラウスキー、1980年代の娯楽映画を手がけたマーク・L・レスターの計5人。
映画祭にはもう一段上の「名誉大賞」があり、こちらは映画史における傑出した経歴を評価する枠だ。今年はピーター・ジャクソン、ダニー・デヴィート、エイミー・アーヴィングの3人が選ばれている。ジャクソンは自身の初期作「ブレインデッド」の4K修復版を携えて来場する予定だ。
清水について、映画祭は「Jホラー(日本のホラー映画を指す海外での呼び名)に欠かせない存在の一人であり、その国際的な広がりを作った主要な立役者の一人」と記した。そのうえで「呪怨」シリーズが「伽椰子と俊雄を現代ホラーの最も大きなアイコンの二つにした」と評価し、「呪い、家という空間、そして過去が消えずに残り続けることへの向き合い方が、深い痕跡を残した」と続けている。
世界初上映は日本ではなくカナダだった
「八つ墓村」は18日に日本で封切られたが、観客が最初に見たのは海外だ。ファンタジア国際映画祭の7月2日の発表によると、同映画祭は第30回(7月16日〜8月2日、カナダ・モントリオール)で清水に「シュヴァル・ノワール・キャリア・アチーブメント賞」を贈り、あわせて「八つ墓村」をワールドプレミア、「The Mouths」を北米プレミアとして上映した。発表文は「彼のキャリアをたたえるとともに、彼がいまも多作で今日的な監督であり続けていることを示す」と説明している。
シッチェスの公式サイトにある清水のページには、今年の上映作品として「The Mouths」「Village of Eight Gravestones」と、2023年の「Immersion」の3本が並ぶ。1本の新作を引っさげての参加ではなく、近作をまとめて紹介する扱いになっている。
映画祭のゼネラルマネージャー、モニカ・ガルシア・イ・マサゲは「八つ墓村」について「排他性、迷信、そして過去の因縁の重みを探求した現代的な再解釈であり、パノラマ部門における重要な一作」とコメントした。閉鎖的な村の因習を題材にした日本の物語が、スペインの観客に向けて普遍的な主題として差し出される形になる。
金田一耕助に尾上松也、製作は松竹
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが6月18日に出したリリースによると、「八つ墓村」は横溝正史の同名小説(角川文庫刊)が原作で、名探偵・金田一耕助を尾上松也が演じる。井川辰弥役に奥智哉、森美也子役に堀田真由、田治見家の小竹と小梅の二役に高島礼子、田治見久弥と要蔵の二役に滝藤賢一が名を連ねる。製作は「八つ墓村」製作委員会で、松竹が製作幹事と配給を担い、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントも配給に加わっている。
公開に合わせた告知も続く。公式サイトは17日に劇場での入場者プレゼント配布を決めたと知らせ、18日にはオリジナル・サウンドトラックの配信を始めた。第59回シッチェス映画祭は10月8日に開幕し、18日まで続く。
