総務省は6月30日、東京など世界6都市の通信料金を比べた「電気通信サービスに係る内外価格差調査」の令和7年度(2025年度)結果を公表した。携帯電話最大手のスマートフォン料金を比べると、東京はデータ量が月20GBまでの利用モデルで月2974円となり、パリに次ぐ2番目の安さだった。一方、データ量無制限の利用モデルでは月9332円と、最も安いロンドンの4966円の約1.9倍に達している。調査時点は2025年12月で、この結果は7月に公表された令和8年版情報通信白書にも収録された。
比較したのは東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウルの6都市。各都市でシェア1位の通信事業者のメインブランドについて、新規契約した場合に最も安く済む料金プランを選んで月額を並べている。
20GBまでは安く、無制限で跳ね上がる
4Gのデータ量別に見ると、東京の支払額は月2GBで2974円、5GBと20GBでも同じ2974円だった。20GBではパリの2495円に次ぐ2番目で、ロンドン3259円、デュッセルドルフ4037円、ニューヨーク6684円、ソウル6916円を下回る。東京でこの3区分に使われたのはNTTドコモの「ahamo」で、月30GBまで使えるため、20GB以下ではどの利用モデルでも同じ料金になる。
50GBと100GBでは、データ量を110GBに増やす「大盛りオプション」を足した4954円となり、パリ3465円、ロンドン3686円(100GBでは3828円)に次ぐ3番目に下がる。
差が最も開くのが無制限だ。東京は「ドコモMAX」に5分通話無料オプションを付けた9332円で、ロンドン4966円、ニューヨーク6684円、ソウル8754円を上回り、デュッセルドルフの1万1450円に次ぐ高さとなった。パリは無制限プランの提供自体がなかった。東京では20GBの2974円から無制限の9332円まで、約3.1倍の開きがある。容量を使い切る層にとっては割高な構図が続いている。
光回線は速度あたりでは世界最安級
固定の光回線(FTTH)は様相が異なる。回線使用料と宅内設備のレンタル料、接続事業者の料金を合算した東京の月額は、戸建て向けが5720円、集合住宅向けが4400円で、ソウルの3724円やパリの4159円より高い。
ただし東京とパリは下りの最大速度が1000Mbpsで、ほかの4都市は100Mbps(デュッセルドルフは150Mbps)にとどまる。速度1Mbpsあたりに直すと、東京は戸建て5.7円、集合住宅4.4円となり、パリの4.2円に次ぐ2番目の安さになる。ロンドンは50.7円、ニューヨークは46.3円で、東京の10倍前後の開きがある。
各国比較の前提
この調査は毎年度実施され、料金水準を国際的に位置づけるための基礎資料として使われている。金額は為替レートではなく、経済協力開発機構(OECD)が公表する2024年の購買力平価で換算した。物価水準の違いをならして比べるためで、円安が進んでも日本の料金だけが自動的に安く見えることはない。
利用モデルは日本の実態に合わせ、音声通話が月44分、メールの送受信が月60通と設定されている。契約後1年だけ適用される割引のような期間限定の値引きは、欧米で主流の24か月契約に均等に割り振って月額に反映した。総務省は、各国とも通常料金と割引料金の体系が異なり、使い方によって必要な料金が変わる点に留意が必要だとしている。
情報通信白書は今回の結果について、東京のスマートフォン料金は「おおむね中位の水準」と記している。
