首相官邸は9月18日、第2次高市改造内閣の副大臣27人と大臣政務官28人の名簿を公表した。17日に発足した改造内閣は、大臣に続いて副大臣・政務官が発令され、政務三役55人の陣容が固まった。名簿の日付はいずれも令和8年9月18日となっている。
副大臣と大臣政務官は、閣僚を支えて省内の政策調整にあたり、大臣に代わって国会の委員会で答弁することも多い。大臣が外交日程などで不在のときは職務を代行する。閣僚人事ほど注目されないが、法案の実務や予算の詰めを担う役どころで、与党内では閣僚に上がる前の登竜門とも位置づけられている。
副大臣27人の名簿
首相官邸の名簿を府省庁ごとに並べると次のとおり。かっこ内は所属院で、内閣府の職を兼ねる人はその旨を添えた。
- デジタル 塩崎彰久(衆議院・内閣府兼務)
- 復興 中野英幸(衆議院)、西田昭二(衆議院・内閣府兼務)
- 内閣府 谷川とむ(衆議院)、平沼正二郎(衆議院)、今井絵理子(参議院)
- 総務 斎藤アレックス(衆議院)、鈴木英敬(衆議院・内閣府兼務)
- 法務 武村展英(衆議院・内閣府兼務)
- 外務 中曽根康隆(衆議院)、堀井巌(参議院)
- 財務 進藤金日子(参議院)、若林健太(衆議院・内閣府兼務)
- 文部科学 青山周平(衆議院)、中田宏(衆議院)
- 厚生労働 浦野靖人(衆議院)、藤原崇(衆議院)
- 農林水産 小寺裕雄(衆議院)、藤木眞也(参議院)
- 経済産業 髙木啓(衆議院)、宮本周司(参議院・内閣府兼務)
- 国土交通 加藤鮎子(衆議院)、朝日健太郎(参議院)
- 環境 畦元将吾(衆議院)、三ッ林裕巳(衆議院・内閣府兼務)
- 防衛 小田原潔(衆議院)、こやり隆史(参議院・内閣府兼務)
大臣政務官28人の名簿
- デジタル 赤松健(参議院・内閣府兼務)
- 内閣府 繁本護(衆議院)、根本拓(衆議院)、坂本竜太郎(衆議院・復興兼務)
- 総務 小池正昭(衆議院)、島田智明(衆議院)、福原淳嗣(衆議院・内閣府兼務)
- 法務 阿部弘樹(衆議院・内閣府兼務)
- 外務 大空幸星(衆議院)、生稲晃子(参議院)、藤井一博(参議院)
- 財務 白坂亜紀(衆議院)、山口晋(衆議院・内閣府兼務)
- 文部科学 美延映夫(衆議院)、山本大地(衆議院)
- 厚生労働 田中昌史(衆議院)、長谷川英晴(参議院)
- 農林水産 森下千里(衆議院)、保岡宏武(衆議院)
- 経済産業 石井苗子(参議院)、若山慎司(衆議院・内閣府兼務)
- 国土交通 草間剛(衆議院)、髙橋祐介(衆議院)、青島健太(参議院)
- 環境 石井拓(衆議院)、石原正敬(衆議院・内閣府兼務)
- 防衛 𠮷井章(参議院)、上杉謙太郎(衆議院・内閣府兼務)
所属院で分けると、副大臣は衆議院20人・参議院7人、大臣政務官は衆議院21人・参議院7人である。55人のうち衆議院が41人、参議院が14人を占めた。
27人・28人は法律の定数ちょうど
副大臣27人・大臣政務官28人という数は、内閣が自由に決めているわけではない。ポストの数は法律で省庁ごとに定められていて、今回の名簿はその合計と1人の違いもなく一致する。
副大臣と大臣政務官の定数を定めるのは、国家行政組織法の別表第三である。同法第16条が「各省に副大臣を置く」、第17条が「各省に大臣政務官を置く」と決めたうえで、人数はこの別表に委ねている。中身は次のとおりで、省によって1人から3人まで差がある。
| 省 | 副大臣 | 大臣政務官 |
|---|---|---|
| 総務省 | 2人 | 3人 |
| 法務省 | 1人 | 1人 |
| 外務省 | 2人 | 3人 |
| 財務省 | 2人 | 2人 |
| 文部科学省 | 2人 | 2人 |
| 厚生労働省 | 2人 | 2人 |
| 農林水産省 | 2人 | 2人 |
| 経済産業省 | 2人 | 2人 |
| 国土交通省 | 2人 | 3人 |
| 環境省 | 2人 | 2人 |
| 防衛省 | 2人 | 2人 |
この11省を足すと副大臣21人、大臣政務官24人になる。国家行政組織法が対象にするのは「省」なので、内閣府・復興庁・デジタル庁の定数はそれぞれの設置法が定めている。内閣府設置法は第13条で副大臣3人、第14条で大臣政務官3人。復興庁設置法は第9条で副大臣2人。デジタル庁設置法は第9条で副大臣1人、第10条で大臣政務官1人である。
これを合計すると、副大臣は21人に内閣府3人・復興庁2人・デジタル庁1人を足して27人、大臣政務官は24人に内閣府3人・デジタル庁1人を足して28人になる。名簿の人数と同じだ。つまり第2次高市改造内閣は、置ける副大臣・政務官のポストをすべて埋めたことになる。
復興庁だけは扱いが違う。復興庁設置法第10条は「復興庁に、大臣政務官を置くことができる」としたうえで、第2項で「大臣政務官は、他の府省の大臣政務官の職を占める者をもって充てる」と定めている。復興庁には専任の政務官の枠がなく、他省の政務官が兼ねる形でしか置けない。今回、内閣府大臣政務官の坂本竜太郎氏が復興大臣政務官を兼ねているのは、この規定による。
内閣府の兼務が15人 これも法律が用意した仕組み
今回の名簿で目立つのが内閣府との兼務である。副大臣27人のうち8人、大臣政務官28人のうち7人が内閣府の役職を兼ねており、内閣府専任の副大臣3人・政務官3人と合わせると、21人が内閣府に関わる。
この兼務も法律が用意した仕組みだ。内閣府設置法第13条は、第1項で専任の副大臣3人を置くと定めたうえで、第2項で「内閣府に、前項の副大臣のほか、デジタル庁又は他省の副大臣の職を占める者をもって充てられる副大臣を置くことができる」としている。大臣政務官についても第14条第2項に同じ規定がある。専任の3人では足りないぶんを、他省の副大臣・政務官に兼ねさせて補う建て付けになっている。
内閣府は、子ども政策や経済財政、防災、規制改革など、複数の省庁にまたがる政策を束ねるために置かれた役所だ。担当大臣が内閣府特命担当相として複数の看板を持つのと同じ理屈で、実務を担う副大臣・政務官も出身省庁の仕事と内閣府の仕事を掛け持ちする。組織を増やさずに横串の政策を回す仕組みだが、その分ひとりが抱える所管は広くなる。
連立を組む維新から5人
自民党と連立を組む日本維新の会からは、衆参両院が公表する会派名簿で所属が確認できる範囲で5人が入った。副大臣は、総務に斎藤アレックス氏(衆院比例近畿)、厚生労働に浦野靖人氏(衆院大阪15区)。大臣政務官は、文部科学に美延映夫氏(衆院大阪4区)、経済産業に石井苗子氏(参院比例)、国土交通に青島健太氏(参院比例)が就いた。衆議院の会派別議員一覧によると、日本維新の会の衆院会派は36人である。
維新は閣僚も出しており、副大臣・政務官の段でも複数の省庁に人を送り込んだ形だ。総務省は地方財政や通信、厚生労働省は社会保障と、いずれも維新が持論を持つ分野にあたる。政策の実務レベルに党の人員が入ることで、連立合意の中身がどこまで各省の予算や法案に反映されるかが、今後の焦点になる。
女性は55人中6人
女性は、副大臣が今井絵理子氏(内閣府)と加藤鮎子氏(国土交通)の2人、大臣政務官が生稲晃子氏(外務)、白坂亜紀氏(財務)、森下千里氏(農林水産)、石井苗子氏(経済産業)の4人で、合わせて6人だった。政務三役55人に占める割合は約1割にあたる。
内閣改造に伴う人事は、党の役員人事や政府の官房副長官人事と合わせて一巡した。臨時国会では、この顔ぶれで補正予算案や法案の審議に臨むことになる。
閣僚の顔ぶれそのものは2日前に決まっていた。第2次高市改造内閣の閣僚名簿 2026年9月17日発足、18ポスト中10人が交代し骨格は留任 維新から中司宏氏が初入閣 「副首都整備」「クマ被害対策」の担当を新設のとおり、首相を除く18ポストのうち10ポストが交代している。
