政府は、今夏の電気・ガス料金の負担軽減策を7月使用分から始める。真夏の8月は値引き額を手厚くする。財源には、令和8年度予算の予備費5135億円を充てる。経済産業省が事業者への特例認可を済ませており、利用者側の申請は要らない。
繰り返される物価高対策
電気・ガス料金の支援は、政府が物価高対策として2023年から断続的に続けてきた。縮小や一時終了をはさみながら、燃料価格の高止まりや、冷暖房で電気を多く使う夏と冬に合わせて再開する形が繰り返されている。今回の夏の支援も、その一環となる。
7月から3か月間
経済産業省によると、支援は2026年7月から9月までの3か月間の使用分が対象となる。電気・ガス会社が申請手続きを行い、契約者の毎月の請求額に値引きが自動で反映される。利用者側の手続きは不要だ。請求ベースでは、8月から10月ごろに反映される。
8月は値引きを上乗せ
値引き単価は、家庭向け(低圧)の電気で、7月と9月が1キロワットアワーあたり3.5円、猛暑がピークとなる8月は4.5円とする。工場などが使う高圧の電気は、7月と9月が1.8円、8月が2.3円。都市ガスは、7月と9月が1立方メートルあたり14.0円、8月が18.0円となる。
冷房で電気の使用が増える8月の単価を高くすることで、負担が重くなる時期に支援を集中させる。
財源は予備費5135億円
財源には、令和8年度一般会計の予備費5135億円を充てる。予備費は、あらかじめ使い道を細かく定めずに計上し、緊急の必要に応じて政府の判断で使える予算だ。国会でその都度の議決を経なくても機動的に使える一方、使い道は政府の裁量に委ねられる。
燃料高の要因と今後
料金が高止まりする背景には、燃料価格の上昇がある。日本は原油の輸入の9割超を中東に頼っており、2026年に米国・イスラエルとイランの軍事衝突で中東情勢が緊迫したことが、価格を押し上げた。原油輸送の要衝であるホルムズ海峡は、世界の海上での石油貿易の約4分の1が通るとされ、情勢次第で供給への不安が高まる。輸入代金の支払いを円換算で膨らませる円安も、価格を押し上げる要因だ。
今後の見通しは不透明だ。資源エネルギー庁は、中東情勢を踏まえた石油の安定供給の確保に取り組むとし、日本は約8か月分の石油を備蓄している。緊張が和らげば価格が落ち着く可能性がある一方、長引けば高止まりが続くおそれもある。政府はこうした燃料価格の動向を見ながら、料金支援などの対応を判断してきた。