林総務相は11日の閣議後記者会見で、地方税のオンライン手続システム「eLTAX(エルタックス)」を更改し、24日朝から次期システムを稼働させると明らかにした。移行作業に伴い、19日午前0時から24日午前8時30分までサービスを停止する。停止は5日間余りに及び、その間は電子申告も電子納付もできない。

5日間は申告も納付もできない

止まるのは、eLTAXを使った電子申告・電子納付と、納付書に印刷されたQRコード「eL-QR」を読み取るキャッシュレス納付である。山口県防府市は、この期間はeLTAX・eL-QRによる電子申告や納付手続きができないと住民や事業者に周知している。

eLTAXは、法人住民税や事業税、給与からの住民税の天引き(特別徴収)といった地方税の申告・納付を、自治体の窓口に出向かずに済ませるための共同システムだ。自治体ごとにばらばらだった窓口を一本化している点に特徴がある。平成22年に全ての地方団体が接続を終えて以降、機能の追加が重ねられてきた。

利用は既に相当な規模に達している。林氏によると、令和7年度の地方法人2税(法人住民税と法人事業税)の電子申告率は約9割。eLTAXを経由した納付額は約19.1兆円で、地方税全体のおよそ4割にあたる。林氏は「国民生活に欠かすことのできないデジタルツールになりつつある」と述べた。申告期限が停止期間に重なる事業者は、19日より前に手続きを終える必要がある。

新システムは24時間365日 国税との情報連携も広げる

24日午前8時30分に動き出す次期システムでは、メンテナンス時を除いて24時間365日の稼働を実現する。従来は稼働時間が限られ、夜間や休日に手続きできない場面があった。あわせて、国税連携システムとの情報のやり取りも広げる。国と地方で同じ申告内容を別々に扱う手間を減らす狙いがある。

水道料金や保険料もQRコードで払える

24日からは、納付できる対象そのものが広がる。これまでeL-QRで払えるのは地方税に限られていたが、保険料や水道料金など、自治体に納める地方税以外の公金も対象に加わる。

eL-QRは、自治体が送る納付書に印刷された共通のQRコードだ。スマートフォンの決済アプリや金融機関のサイトで読み取れば、窓口に並ばずに払える。林氏は、オンラインでの納付手段が増えることに加え、「全国の銀行でも納付が可能となる」と説明した。納付書を発行した自治体の指定金融機関でなくても払える形になる。

利点は住民側だけではない。納付の情報がデータとして自治体や金融機関に渡るため、紙の納付書を人手で処理する作業が減る。林氏は、住民の利便性向上と自治体・金融機関の業務効率化の両方につながると述べた。

林氏は会見で、更改の詳細について同じ11日に自治税務局と自治行政局から記者向けの説明を行うとした。停止期間に入る19日まで、残りは1週間を切っている。