総務省は9月17日、政治資金規正法に基づく政治団体の届出として、「民主改革の会」が同日付で届け出たことを公表した。区分は「政党」で、代表者は小川淳也氏、会計責任者は階猛氏、主たる事務所の所在地は東京都千代田区永田町1丁目11番1号としている。中道改革連合を離れた立憲民主党出身の衆院議員が結成する新党で、その名称が公の文書で確認できたのはこれが初めてとなる。

政治資金規正法は、政治団体に対し、組織された日または政治団体となった日から7日以内に、郵便によらず文書で届け出ることを義務づけている。届出事項は団体の目的、名称、主たる事務所の所在地、主に活動する区域、代表者と会計責任者の氏名・住所・生年月日などだ。政党の場合は、主たる事務所の所在地の都道府県選挙管理委員会を窓口として総務大臣に届け出る。届け出があると、総務省が名称などを公表する。

「政党」の区分で届け出た意味

今回の届出で注目されるのは、団体の区分が「政党」になっている点だ。

政治資金規正法上の政治団体は、政党、政治資金団体、その他の政治団体に分かれる。このうち政党と認められるのは、所属国会議員が5人以上いる団体か、前回の衆院選(小選挙区・比例代表)、前回または前々回の参院選(選挙区・比例代表)のいずれかで全国を通じた得票率が2%以上あった団体のいずれかだ。

民主改革の会はこの9月に設立されたばかりで、国政選挙を戦っていない。得票率の条件を満たしようがない以上、「政党」の区分で届け出たということは、設立の時点で所属する国会議員が5人以上いることを意味する。

政党かどうかで、政治資金の集め方が変わる。総務省の「政治資金規正法のあらまし」によると、政治団体を除く会社や労働組合などの団体が政治活動に関する寄附をできる相手は、政党本部と一定の政党支部、それに政治資金団体に限られる。その他の政治団体への企業・団体献金は禁止されている。

一人の寄附者が年間に出せる総額にも差がある。政党・政治資金団体に対しては個人が2000万円まで、会社や労働組合などは資本金や組合員数に応じて750万円から1億円まで出せる。これに対し、その他の政治団体や候補者個人に対しては、個人が1000万円までで、会社や労働組合などは寄附そのものができない。届出の区分は、名乗りの問題ではなく、その後の資金の集め方を決める区分でもある。

同じ日に、中道改革連合の代表交代も告示

総務省は同じ9月17日、政治団体の届出事項の異動の届出として、中道改革連合の代表者が小川淳也氏から渡辺創氏に変わったことも公表した。異動年月日は9月16日だ。

この日、中道改革連合は国会内で議員総会を開き、小川氏の代表辞任と新党結成を了承した。同党の発表によると、所属国会議員49人のうち48人が離党手続きに入り、組織委員長だった渡辺氏が1人だけ党に残って代表を引き受け、残務処理を担うことになった。新党名が「民主改革の会」であることも、この議員総会で了承されている。

小川氏は議員総会で、8か月の党運営を「厳しく、苦しく、悩ましいことが多かった」と振り返り、「外形的な批判をより重く受け止めるべきだった」と述べた。渡辺氏への信任については「49人全員の思いと責任を託す」とし、「恥を忍び、責任を感じながら職責を果たす」と語った。

残された作業は190総支部の整理と清算

渡辺氏は同日の記者会見で、党の理想形を実現できなかったことについて「関係者の皆さん、総支部長、全国で支援いただいた多くの皆様に、1人の国会議員として大変申し訳なく思っている」と述べ、「しっかりとその職務と向き合ってまいりたい」と決意を示した。

残された作業として挙げたのは、全国およそ190の総支部の整理、政治資金収支報告書の作成、法定監査への対応だ。顧問弁護士や会計士の助言を受けながら進めるとし、常任幹事会に非現職の総支部長経験者や党職員の代表を加えて、法的な安定性と透明性を確保する方針も示した。

中道改革連合は今年1月15日の結党で、リベラルから穏健保守までを含む中道勢力の結集体を掲げていた。当初は2月の衆院選後に立憲民主党と公明党の参院議員らが組織的に合流する段取りだったが、3党の協議でその前提が崩れた。党は9月9日、所属衆院議員が新党結成と公明党への復党に分かれる「新たな形態」への移行を決定。公明党出身の28人は公明党に復党し、立憲民主党出身の議員は新党に集まる方針を示していた。今回の届出は、その新党の側が法的な形を整えた段階にあたる。

一方で、党そのものは渡辺氏1人を残して当面存続する。政治団体は解散すれば残った資金の扱いを含む清算の手続きが要るうえ、収支報告の義務も残る。190の総支部という組織の整理と合わせて、「畳む」作業は名称の変更よりも長い時間を要することになる。