中国・杭州のスマートグラス大手Rokid(ロキッド、運営会社はHangzhou Lingban Technology)は9月15日、ディスプレイを載せないAIグラス「Rokid Ai Glasses Style」を日本で発売した。価格は税込6万4990円で、販売はRokidの公式オンラインショップに限る。同日午前11時にプレスリリースを出し、午後5時からオンラインの発表会を開いた。
重さは38.5グラム。フレームの素材には眼鏡に使われる樹脂のTR90を用い、色はブラックとグレーの2種類をそろえた。AIアシスタントはChatGPTとGeminiに対応し、最大76言語のリアルタイム翻訳、音声によるナビゲーション、カメラで写したものを判別するAI画像認識、会話を記録して要約するAI議事録が使える。
画面を外して、10グラム軽くした
Rokidが日本で売るAIグラスは、これで2本立てになった。2月26日にクラウドファンディングのMakuakeで先行販売を始めた「RokidスマートAIグラス」は、レンズの中に光を導いて映像を目に届ける光導波路ディスプレイを備える。Micro-LEDの光源で緑色の文字や図形を表示し、最大の明るさは1500ニット。相手の話した内容を字幕のように視界へ出したり、原稿を読み上げるテレプロンプターとして使ったりできるのが売りだった。
今回のStyleは、その画面を省いた機種にあたる。同社は「視界を遮らない、ディスプレイレス設計」とし、AIの回答や翻訳結果はオープンイヤー音声とスマートフォンアプリ「Hi Rokid」で確認する、と説明する。表示装置と関連部品がなくなった分、重さは上位機の約49グラムから38.5グラムに下がり、価格も税込10万9890円から6万4990円になった。翻訳の対応言語は上位機の89言語以上から76言語へと減る。
音は耳をふさがない指向性のAACスピーカーで鳴らす。カメラはソニー製の1200万画素センサーIMX681で、視野角は109度、F値は2.25と上位機と同じ構成をとる。電池の容量は210ミリアンペア時で、最大12時間使えるとしている。
狙いは「普段の眼鏡」の置き換え
Styleで目を引くのは、視力矯正への対応の幅広さだ。度付きレンズは近視側の-15.00Dから遠視側の+15.00Dまで対応し、単焦点のほか、累進(遠近両用)、明るさで濃さが変わる調光、まぶしさを抑える偏光、色付きのカラーレンズも選べる。強い度数や老眼にも合わせられるため、AIグラスを特別な機器としてではなく、毎日かける眼鏡そのものとして使ってもらう構えだ。
AIグラスは、カメラとマイク、スピーカーを眼鏡に載せ、スマートフォンを取り出さずにAIへ話しかけられる端末を指す。映像を目に映す機能を持つものと、持たないものがあり、画面がない機種は構造が単純な分だけ軽く、安くしやすい。Rokidは画面付きと画面なしを価格帯で分けて並べる形をとった。
インバウンド接客での利用を提案
Rokidは同じリリースで、AIグラスの体験イベント「Rokidで見える 全国ツアー」を9月13日に大阪・梅田の蔦屋書店(LUCUA 1100 9階)で開いたことも明らかにした。訪日外国人客への接客でAIグラスが使える場面を提案する内容で、リアルタイム翻訳を店頭で試してもらう狙いがある。手がふさがる接客や作業の現場は、スマートフォンを持ち替えずに翻訳や記録ができるAIグラスが生きやすい領域とされる。
発売を記念し、9月15日から30日までにStyleを買った人には、通常価格1万999円の調光レンズを1台につき1点贈る。色は選べず、ランダムになるとしている。
