国際移住機関(IOM)は9月14日、スーダンで国連機関や支援団体が共同で使う物流の仕組み「共通人道支援パイプライン」について、資金が尽きれば数週間で立ちゆかなくなる恐れがあると警告した。エイミー・ポープ事務局長は「今行動しなければ、人道支援の仕組み全体が数週間のうちに崩壊しかねない」と述べ、各国に資金の拠出を求めた。
100を超える団体が使う「共同の倉庫と配送」
共通人道支援パイプラインは、IOMが運営する共同の調達・物流の仕組みだ。毛布や調理器具、衛生用品といった緊急の救援物資をIOMがまとめて調達・保管し、現地で活動する国連機関やNGOが必要な分を引き出して配る。団体ごとに別々に物資を買い付けて運ぶより、費用も時間も抑えられる。IOMによると、登録している支援団体は100を超える。
この仕組みを通じて支援が届いた人は、2023年7月の開始以降で284万人にのぼる。ただし年ごとの内訳を見ると、2024年は100万人を超えていたのに対し、2025年は80万4000人、2026年はここまでで33万人にとどまる。2年前の3分の1の水準だ。IOMは救援物資の備蓄が9月末に尽きる見込みで、運営を続けられるのも12月までだとしている。
避難した人は862万人、帰還も進まず
スーダンでは国軍と準軍事組織の戦闘が続いており、IOMは国内避難民を860万人、いったん避難先から戻った帰還者を490万人としている。IOMが各地で人の動きを追う「移動追跡マトリックス(DTM)」の直近の集計では、7月30日時点の国内避難民は862万2801人だった。DTMはスーダンの全18州、185の郡、約1万3000か所から情報を集めている。
避難民が帰還しても、水道や診療所が壊れたままの土地では生活が立て直せない。物資の配布が細れば、戻った人が再び動かざるを得なくなる。
必要額は最低1500万ドル
IOMは必要な資金を3段階で示した。最低限の運営を12か月続けるには1500万ドルが要り、それでも支援できるのは30万5000人にとどまる。2700万ドルあれば2025年と同じ57万人の規模に戻せる。100万人へ広げるには4200万ドルが必要だという。
ポープ事務局長は「スーダンの人々が最も必要としているときに、背を向けるわけにはいかない」とし、「新たな資金がなければ、最も必要とされている場所に支援を届けられない」と述べた。IOMは備蓄が尽きる9月末を当面の節目として、拠出の判断を各国に求めている。
