総務省情報通信政策研究所が公表した令和7年度の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」で、10代が「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ために最も利用するメディアは、テレビが52.1%、インターネットが41.4%、新聞が5.0%だった。20代から40代ではいずれもインターネットがテレビを上回っており、若い世代のうち10代だけがテレビを上に置いている。調査は13歳から79歳までの男女1800人を対象に、令和7年12月1日から7日まで訪問留置法で行われた。

同じ10代に二つ聞くと、答えが入れ替わる

この調査は、メディアの使い分けを二つの質問に分けて聞いている。一つは「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ため、もう一つは「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ためで、それぞれ最も利用するメディアを一つ選ばせる形式である。

10代の回答は、この二つで大きく入れ替わる。速さを求める場面ではインターネットが72.1%、テレビが26.4%で、ネットが圧倒的に多い。ところが信頼を求める場面になるとインターネットは41.4%まで下がり、テレビが52.1%で逆転する。同じ回答者集団が、目的を変えただけで選ぶメディアを取り替えている。

20代から40代では、この入れ替わりが起きない。信頼できる情報を得る場面で、20代はインターネット51.8%に対しテレビ37.2%、30代はインターネット51.5%に対しテレビ37.0%、40代はインターネット42.6%に対しテレビ40.9%と、いずれもネットが上に立つ。50代以上は逆にテレビが優勢で、50代55.9%、60代60.6%、70代63.3%と年代が上がるほど高まる。全年代ではテレビ50.3%、インターネット32.9%、新聞13.0%だった。

つまり年代順に並べると、テレビを選ぶ割合は10代で高く、20代から40代でいったん落ち込み、50代以上で再び上がる。若い側の端だけが、上の世代と同じ側に振れている。

信頼度そのものを聞くと、10代はネットへの評価が最も高い

紛らわしいのは、「どのメディアに信頼できる情報があると考えるか」を五段階で直接聞いた別の設問では、逆の傾向が出ていることだ。「全部信頼できる」と「大部分信頼できる」を合計した信頼度は、10代でインターネットが33.6%と、全年代の26.3%を含むどの年代よりも高い。20代28.9%、30代30.2%、40代29.2%、70代19.2%と比べても、10代が最高である。

情報源としての重要度でも、10代はインターネットが87.1%でテレビの75.7%を上回る。10代はネットを重要視し、他の年代よりネットを信頼してもいる。それでも「信頼できる情報を一つ選べ」と迫られるとテレビを取る、という結果になっている。

この設問の10代の回答者数は140人で、全体1800人のうちの一部にとどまる。年代別の数値は標本が小さいほど振れやすく、1年分の数字だけで傾向が定まったとは言えない。調査自体は平成24年から毎年実施され今回で14回目で、令和6年度から対象に70代を加えて1800人に広げている。

全体ではネットがテレビを引き離し、SNSはLINEが92.9%

メディア全体の平均利用時間では、ネットがテレビを離しつつある。平日のインターネット利用は183.9分で前年度から2.1分増え、テレビのリアルタイム視聴は156.1分で1.4分増だった。休日はインターネットが192.9分で9.2分増、テレビが189.2分で6.5分増となり、休日も両者の順位は入れ替わっていない。

ソーシャルメディア系サービスの利用率は、全年代でLINEが92.9%、YouTubeが81.5%、Instagramが54.8%、X(旧Twitter)が44.7%、TikTokが36.7%、Facebookが27.0%だった。前年度はLINE91.1%、Instagram52.6%、X43.3%、TikTok33.2%で、Facebookが26.8%から27.0%とほぼ横ばいだったほかは軒並み上がっている。

10代に限ると、LINEが96.4%、YouTubeが95.0%、Instagramが69.3%、TikTokが67.9%、Xが56.4%、Facebookが14.3%で、TikTokの利用率は全年代で最も高い。速報も娯楽もネットで済ませている10代が、信頼を尋ねられる場面でだけテレビを選んでいることになる。