日本銀行は9月17日、2026年第2四半期の資金循環統計(速報)を公表した。2026年6月末時点で国債等(国庫短期証券と国債・財投債の合計、時価ベース)の残高は1142兆円あり、このうち日銀が470兆円を保有している。全体に占める割合は41.16%で、統計上のピークだった2023年12月末の47.90%から下がり続けている。
資金循環統計は、家計や企業、政府、金融機関といった経済主体ごとに、どんな金融資産をいくら持ち、どこから資金を調達しているかを四半期ごとに集計したものだ。国債を誰がどれだけ抱えているかが分かるため、日銀の金融政策が実際にどこまで進んだかを測る物差しにもなる。
買い入れを減らした分は誰が引き受けたか
日銀の保有割合が下がっているのは、長期国債の買い入れを段階的に減らしているからだ。日銀は2025年6月の金融政策決定会合で、月間の買い入れ予定額を2026年1〜3月までは四半期ごとに4000億円程度ずつ、2026年4月以降は2000億円程度ずつ減らす計画を決めている。2026年7〜9月の予定額は月2.5兆円程度で、2027年1〜3月には2.1兆円程度まで下がる。
減った分を引き受けているのが民間だ。銀行などの預金取扱機関の保有割合は2023年6月末の11.75%を底に上がり続け、2026年6月末は14.88%(170兆円)になった。海外は13.12%(150兆円)で、公的年金も6.71%(77兆円)まで増えている。一方、保険・年金基金は16.29%(186兆円)と減少が続く。
家計の国債保有は12年ぶりの水準へ
目立つのが家計だ。国債等に占める家計の保有割合は2022年3月末と6月末の1.02%が底で、そこから四半期ごとに上がり続け、2026年6月末は1.92%(22兆円)になった。これは2014年3月末の2.00%以来の高い水準だ。
背景には金利の上昇がある。日銀は9月18日の金融政策決定会合で無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を1.25%程度へ引き上げると決めた。金利が上がれば個人向け国債などの利回りも上がり、預金よりも有利な選択肢になる。かつて日銀が市場の国債の半分近くを抱え、利回りがほぼゼロに張り付いていた時期とは条件が変わった。
家計の金融資産は2519兆円
家計全体の金融資産残高は2026年6月末で2519兆円となり、前年同期の2269兆円から11.0%増えた。2025年3月末に2227兆円といったん減ったあと、5四半期続けて増えている。
内訳では、現金・預金が1132兆円で全体の44.9%を占めるものの、前年同期比の伸びは0.5%にとどまる。対して株式等は486兆円(全体の19.3%)で47.0%、投資信託は193兆円(同7.7%)で36.8%伸びた。債務証券も38兆円で15.5%増えている。残高の増加の多くは値上がりによるものだが、資金の置き場所が預金以外へ少しずつ動いている形だ。
国債の保有構造が日銀から民間へ戻っていく過程は、まだ途中にある。日銀の保有割合が4割を切るかどうかは、買い入れ減額計画の進み具合と、民間がどこまで引き受けられるかにかかっている。
