赤澤経済産業相は7月6日、来日したアラブ首長国連邦(UAE)のスルタン・アル・ジャーベル産業・先端技術相と会談した。ジャーベル氏は、アブダビ国営石油会社(ADNOC)のグループCEOと、日本担当特使も兼ねる。日本のエネルギー確保のカギを握る人物だ。
会談で確認したこと
赤澤経産相は、ジャーベル氏が再び来日したことに謝意を示した。そのうえで、5月の会談で日本側が総理の親書という形で提案していた、「原油の安定供給」や「備蓄の拡大」など5つの協力事項について、さらに議論を深めたという。
両国はこれまでも、原油をめぐる協力を積み重ねてきた。日本向けの原油を滞りなく積み出すことや、UAEの原油を日本国内のタンクに置いておく「共同備蓄」の活用などがその柱だ。ジャーベル氏からは、日本のエネルギー安全保障の確保に協力する姿勢が示されたとされる。
UAEは原油輸入の「約4割」
日本は、石油のほとんどを輸入に頼り、その大部分を中東の産油国から買っている。なかでもUAEは、日本の原油輸入の約4割を占める、最大級の相手国だ。
つまり、UAEとの関係が揺らげば、日本の経済や暮らしに欠かせない燃料の供給が一気に不安定になりかねない。ガソリンや電気、プラスチックの原料に至るまで、原油は幅広い産業の土台であり、その安定確保はエネルギー政策の生命線といえる。
「備蓄」でリスクに備える
会談で焦点となった「備蓄」は、有事に供給が細るリスクへの備えだ。日本は、国や民間が原油や石油製品をためておく制度に加え、産油国と組んだ「共同備蓄」を進めている。これは、産油国が日本のタンクに原油を置いて普段はアジア向けの供給に使い、日本で不足が生じた際には日本が優先的に買い取れる、という仕組みだ。
中東では情勢の緊張が続き、原油価格の変動や輸送ルートの混乱といったリスクがくすぶる。産油国との関係を平時から深め、備蓄を厚くしておくことは、そうした不測の事態に備える保険となる。経済の安定に直結するエネルギー確保に向け、日本の資源外交が問われている。