経済産業省は11日、再生可能エネルギー特別措置法に基づく納付金を期限までに納めなかったとして、新電力の株式会社グルーヴエナジー(愛媛県松山市)の社名を公表した。同社は8月31日を納付期限とする納付金を納めず、電力広域的運営推進機関が督促状で指定した9月10日の期限までにも納付しなかった。

電気料金と一緒に集めたお金が制度に届かない

ここでいう納付金は、電気の利用者が毎月の電気料金と一緒に払っている「再生可能エネルギー発電促進賦課金」である。

資源エネルギー庁によると、固定価格買取制度(FIT)は、太陽光や風力などでつくった電気を電力会社が一定価格・一定期間で買い取ることを国が約束する仕組みだ。その買い取りに要した費用は、電気を使うすべての人から広く集める賦課金でまかなわれる。負担額は電気の使用量に比例し、単価は買取価格などを踏まえて毎年度、経済産業大臣が全国一律で決める。

小売電気事業者は、この賦課金を利用者から電気料金の一部として集め、納付金として電力広域的運営推進機関に納める。集めた側が納めなければ、利用者が支払った分が買い取り費用の原資に回らないことになる。今回公表されたのは、その納付が止まっている状態である。

公表は法律が定めた最終段階の手続き

社名の公表は、経産省の裁量で行う制裁ではなく、法律が定めた手順に沿った措置だ。

再エネ特措法は、納付期限までに納付がない電気事業者について、電力広域的運営推進機関が督促状で期限を指定して納付を督促すると定めている(34条1項)。それでも期限までに納付がない場合、同機関は経済産業大臣に通知し(同条3項)、通知を受けた大臣は当該事業者名と、指定期限までに納付していない旨を公表しなければならない(同条4項)。

今回はこの流れをすべてたどった結果である。経産省の発表は、公表対象の社名と納付の状況を示すにとどまり、未納の金額や今後の対応には触れていない。

燃料費調整なしを掲げる2021年設立の新電力

グルーヴエナジーは2021年2月24日設立。愛媛県松山市に本社を置き、資本金は350万円。電力小売事業のほか、エネルギーシステムの提案、住宅関連設備機器の販売を手がけると会社概要に記している。宇和島市に南予出張所を置く。

料金面では、家庭向けのホームプランで基本料金を全地域0円とし、使用量が増えても単価が変わらない一段制を採る。燃料の値動きを毎月の料金に反映させる「燃料費調整」を導入していないことを特徴として掲げ、電気代の2%をポイントとして還元し、愛媛のみかんなど地域産品と交換できる仕組みも設けている。公式サイトの「お知らせ」は2023年10月5日の料金シミュレーション停止の告知が最新で、それ以降の更新はない。

賦課金の単価は、その年度にどれだけ再生可能エネルギーが導入されるかの見通しを踏まえて毎年度決められ、見通しと実績の差は翌々年度の単価で調整される。利用者が負担した賦課金は、電気事業者が買い取りに充てる費用に回り、最終的に再生可能エネルギーで発電している事業者に届く。