内閣府が7月7日に発表した5月分の景気動向指数(速報)で、景気の現状を映す「一致指数」が前の月より0.4ポイント上がり、3か月連続の上昇となった。内閣府は景気の基調判断を「改善」に据え置いた。
景気動向指数とは — 景気の「今」と「先行き」を数字で示す
景気動向指数は、生産・出荷・雇用・消費など景気に敏感な複数の統計をまとめ、景気の勢いを一つの数字で表したものだ。個々の指標を別々に見るより、経済全体が上向きか下向きかをつかみやすくなる。
指数は3種類ある。数か月先の動きを示す「先行指数」(新規求人や株価など)、景気の現状を示す「一致指数」(生産や出荷、雇用など)、遅れて動く「遅行指数」(設備投資や失業率など)だ。内閣府はこのうち一致指数の動きをもとに、機械的なルールで景気の基調判断を決めている。
基調判断は、良いほうから「改善」「足踏み」「局面変化」「下方への局面変化」「悪化」といった段階に分かれる。最も上向きを示すのが「改善」で、一致指数の3か月移動平均が数か月にわたって上昇しているときに使われる。5月はこの「改善」が続いた形だ。
5月の結果 — 一致指数が3か月連続で上昇
5月の一致指数は前月差でプラス0.4ポイントとなり、3か月連続で上がった。ならして傾向を見る3か月移動平均も0.67ポイント上昇し、5か月連続のプラスとなっている。
数か月先を示す先行指数はプラス0.7ポイントで、12か月連続の上昇となった。個人消費の動きを映す指標では、2026年6月の新車販売台数は確報で42万6868台、前年同月比8.6%増 登録車の電気自動車は1万2225台で2.9倍 ハイブリッドが乗用車の6割超のように、高額な買い物である自動車の販売も前年を上回って推移している。一方、遅れて動く遅行指数はマイナス0.4ポイントで、2か月ぶりに低下した。生産や雇用が底堅く推移していることに加え、中東情勢をめぐる原油価格高騰への懸念が和らいだことも、景気を下支えしたとみられる。
その後、8月分の速報では一致指数が前月の120.6から118.7へ下がり、6か月ぶりの下降となった。それでも移動平均が上向きを保ったため、基調判断は「改善」に据え置かれている(8月の景気動向指数、一致指数は118.7で6か月ぶりの下降 前月の120.6から下がるも基調判断は「改善」据え置き 先行指数は118.0で2か月連続の上昇)。
賃金の伸びと合わせ、緩やかな回復が続く
同じ7日には、厚生労働省が発表した5月の実質賃金が5か月連続のプラスとなったことも明らかになった。賃金と景気の指標がそろって上向く形で、緩やかな景気回復が続いていることを示している。
もっとも、先行きには海外経済の減速や物価の動向といった不透明な要素も残る。一致指数が上昇を続ける限り基調判断は「改善」に保たれるため、この上向きの流れが今後も続くかどうかが、次回以降の焦点となる。
