厚生労働省は9月15日、全国の100歳以上の高齢者が9月1日現在で10万7677人になったと発表した。前年の9万9763人から7914人増え、集計を始めた1963年(昭和38年)以来、初めて10万人を超えた。内訳は男性が1万3379人、女性が9万4298人で、女性が全体の87.6%を占める。住民基本台帳をもとに、都道府県と政令指定都市、中核市から報告された数を集計したものだ。
1963年は153人、63年で700倍に
100歳以上の高齢者の集計は、老人福祉法が制定された1963年に始まった。当時の全国の該当者は153人。1981年に1000人、1998年に1万人を超え、2012年に5万人を上回った。今年の10万7677人は、集計開始時のおよそ700倍にあたる。
増加は1971年から56年続いている。前年を下回ったのは1970年が最後で、この年は331人から310人に減った。以後は一度も減っていない。
増加幅は2020年に次ぐ大きさ、男性は過去最大の1400人増
今年の7914人増は、年次推移の中で2020年の9176人増に次いで2番目に大きい。2020年代の動きを見ると、2019年の7万1274人から2020年に8万450人へ一気に増えた後、伸びは2021年6060人、2022年4016人、2023年1613人と縮んだ。その後は2024年2980人、2025年4644人と再び広がり、今年の7914人につながった。
今年目立つのは男性の伸びだ。男性は前年の1万1979人から1400人増え、それまで最大だった2020年の1011人増を上回った。増加率にすると男性は11.7%、女性は7.4%(6514人増)で、男性の伸びが女性を大きく上回る。
この結果、全体に占める女性の割合は87.6%と、前年の88.0%から下がった。女性の割合は2022年と2023年の88.6%を頂点に、2024年88.3%、2025年88.0%と3年続けて低下しており、87.6%は2016年と同じ水準にあたる。それでも100歳以上のおよそ8人に7人が女性という構図は変わらない。
100歳以上が急増するのは日本だけの現象ではない。国連は2050年までに世界の100歳以上人口が4倍を超えると推計しており、60歳以上が2050年に21億人へ 国連「高齢者の日」テーマは「長寿の時代」 100歳以上は4倍超にのとおり、10月1日の国際高齢者デーでも高齢層の中の最高齢層が厚くなる点が論点に挙がっている。
伸びの背景には平均寿命の延びがある。厚労省の令和7年簡易生命表によると、平均寿命は男性81.35年、女性87.33年。集計が始まった1963年は男性67.21年、女性72.34年で、この63年で男性は14.14年、女性は14.99年延びた計算になる。同じ生命表の詳細は日本人の平均寿命は男81.35年・女87.33年 前年から男0.25年・女0.20年延びる 女は世界1位、男は7位 令和7年簡易生命表で扱っている。
100歳まで生きるのは男性1.77%、女性7.21%
女性が87.6%を占める偏りは、生命表の数字にも表れている。厚労省の令和7年簡易生命表は、いまの年齢別の死亡率がこのまま続いた場合に、10万人の赤ちゃんが何歳まで生き残るかを計算したものだ。100歳の時点で残っているのは男性が1770人、女性が7212人。割合にすると男性1.77%、女性7.21%で、女性は男性の4.1倍にあたる。
男女の差は90歳を境に大きく開く。90歳まで生き残るのは男性2万6705人(26.71%)に対し、女性は5万819人(50.82%)。女性はちょうど半数が90歳に届く計算になる。95歳では男性9897人(9.90%)、女性2万6352人(26.35%)で、女性は男性の2.7倍。これが100歳では4.1倍にまで広がる。
100歳に達した人が、その後さらに何年生きるかを示す平均余命は男性1.81年、女性2.05年。生命表の計算では105歳で残るのは男性82人、女性451人となる。100歳以上の実人数が10万人を超えた一方で、100歳まで到達すること自体は依然として男性でおよそ57人に1人、女性でおよそ14人に1人の水準にとどまる。
表彰対象は5万4294人、記念品は銀杯
9月15日は、老人福祉法が「老人の日」と定める日にあたる。政府はこの記念行事として、その年度中に100歳になる人に内閣総理大臣からのお祝い状と記念品の銀杯を贈っており、1963年から続く。
今年度の対象者は5万4294人で、前年度から1984人増えた。内訳は国内が5万4231人(男性8513人、女性4万5718人)、海外に住む日本人が63人(男性12人、女性51人)。永住する在日外国人も国内の対象者と同じ扱いになる。
贈呈は厚労省が都道府県知事と指定都市・中核市の市長にお祝い状と銀杯を引き渡し、各首長が老人の日以降に本人へ伝える手順をとる。海外在住者には外務省を通じ、各大使館・総領事館から届ける。
厚生労働省は長寿を祝うこの行事のほかに、高齢者の社会参加を促す事業も手がけている。60歳以上を中心とした全国的なスポーツ・文化の祭典もその一つで、ねんりんピック美術展、6部門の厚生労働大臣賞は受賞者全員が80歳以上 493点から78点が入賞 第38回大会は11月7日から埼玉で30種目のとおり、第38回大会は2026年11月7日から10日まで埼玉県で開かれる。
人口10万人当たりは島根が最多、埼玉が最少
人数そのものは人口の多い都市部が上位に並ぶ。東京都の8890人が最も多く、神奈川県5943人、北海道5433人、大阪府5264人と続く。
一方、人口10万人当たりの人数で見ると順位は入れ替わる。この表は厚労省が9月25日に一部を訂正しており、静岡県の値が85.77人(37位)から94.29人(30位)に改められ、青森県や宮城県など7府県の順位が1つずつ下がった。上位と下位の顔ぶれに変わりはない。全国平均の87.51人に対し、最も多いのは島根県の186.65人で、高知県169.52人、鳥取県152.48人、鹿児島県148.31人、長野県146.85人が続いた。最も少ないのは埼玉県の51.27人で、愛知県57.79人、大阪府60.06人、東京都62.40人、千葉県62.89人の順に少ない。島根県は埼玉県の3.6倍にあたる。
上位は西日本と山陰・南九州、下位は首都圏と大都市圏に集まっている。人口10万人当たりの数字は、若い世代が多い地域ほど分母が大きくなって小さく出るため、高齢化が進んだ地方で高くなりやすい。
厚労省は今回、各地で活躍する100歳以上の高齢者の状況も資料に載せた。男性の国内最高齢は熊本県熊本市に住む112歳、女性の国内最高齢は京都府京都市に住む114歳で、女性は今年8月27日から国内最高齢となっている。次回の集計は来年9月1日現在で行う。
一人で暮らす高齢者も増えており、一人暮らしの世帯が2368万9024で全体の41.4% 5年で253万7982増 1世帯当たりは2.10人に 核家族は2010年以降で初の減少によると、65歳以上の世帯員がいる一般世帯のうち34.7%が単独世帯だった。
こうした高齢化が日々の時間の使い方にどう表れるかは、社会生活基本調査、10月20日に実施 19万4000人が1日を15分刻みで記録 今回からスマホ使用の欄を新設で扱う調査が、介護や余暇の時間として捉えることになる。
