内閣府は9月16日、7月の機械受注統計調査報告を公表した。民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」は、季節調整済みで1兆169億円となり、前月より3.7%減った。6月は9.7%増だったため、2か月ぶりの減少となる。

半年先の設備投資を映す統計

機械受注統計は、機械メーカーが受け取った設備用機械類の注文を毎月集計したものだ。対象は主要な機械等製造業者308社で、うち機械製造業者が280社を占める。金額は消費税を除いて集計している。

企業が工作機械や産業用ロボット、発電設備などを注文してから、実際に納入されて工場に据え付けられるまでには、おおむね半年から1年ほどかかる。このため受注の段階の数字は、後から出てくる設備投資の実額よりも早く企業の投資意欲の変化を示すと考えられており、景気の先行きを読む材料として使われてきた。

代表的な指標として使われるのが「船舶・電力を除く民需」である。船舶や発電所の設備は1件あたりの金額が大きく、たまたま大型の注文が1件入るだけで月ごとの数字が大きく跳ねてしまう。この2つを外すことで、企業全体の投資の流れをつかみやすくする狙いがある。

製造業も非製造業も小幅減

7月の内訳をみると、製造業は5186億円で1.0%減、非製造業(船舶・電力を除く)は5259億円で2.6%減だった。どちらも減ったが、下げ幅は小さい。

業種ごとの動きは大きく振れている。製造業では非鉄金属が6月の225.3%増から7月は82.2%減に転じた。逆に造船業は88.9%増、パルプ・紙・紙加工品は65.2%増、電気機械は46.1%増と大きく伸びた。非製造業では不動産業が6月の253.1%増から26.4%減となり、通信業は23.2%減、情報サービス業は16.9%減だった。電力業は34.2%増、農林漁業は11.0%増と伸びている。

こうした極端な増減は、1件で数十億円になる大口の注文が入った月と入らなかった月の差によるものだ。統計を読むときは1か月の業種別の数字だけを取り出さず、数か月の流れでみる必要がある。

外需は減っても前年の1.8倍

受注全体では、7月の受注総額は4兆1957億円で5.5%減だった。海外からの注文を示す外需は2兆3502億円で8.2%減。内閣府によると、電子・通信機械や重電機などは増えたものの、産業機械や船舶などが減った。

官公需は3762億円で9.2%減となった。国家公務や運輸業で増えた一方、防衛省や地方公務などが減ったためだ。最終的な使い手が分からない代理店経由の受注は1631億円で1.3%増だった。

もっとも、季節調整をしない原数値で1年前の同じ月と比べると、様子はかなり違う。船舶・電力を除く民需は11.2%増、受注総額は36.8%増、外需にいたっては81.5%増である。前月比では減ったものの、受注の水準そのものは1年前を大きく上回っている。

四半期でみても、4〜6月期の受注総額は12兆9000億円で前の期より11.3%増えた。船舶・電力を除く民需は3兆1162億円で0.2%増とほぼ横ばいだった。伸びているのは主に海外からの注文で、国内企業の設備投資の姿を映す部分は足踏みが続いている。