警察庁と一般社団法人日本自動車連盟(JAF)は9月15日、今年5月9日から31日にかけて実施したチャイルドシート使用状況全国調査の結果を公表した。全国99か所で車に乗っていた6歳未満の子ども1万2914人(車両1万202台)に聞き取ったところ、チャイルドシートの使用率は84.0%で、前回調査の82.4%を上回り、公表されている2008年以降では最も高い。
ただし、使っていれば安全という結果にはなっていない。8都道府県16か所で実施した別の調査では、チャイルドシートが車に正しく取り付けられていた割合は77.6%、子どもが正しく座らされていた割合は58.7%だった。調査対象651人のうち269人は、座らせ方に何らかの誤りがあった。
5歳だけが下がった
年齢層別の使用率は、1歳未満が94.8%、1歳から4歳が86.9%、5歳が65.7%だった。前回調査はそれぞれ93.2%、84.8%、66.7%で、低年齢の2層が伸びた一方、5歳だけがわずかに下がった。
5歳の使い方の内訳をみると、チャイルドシートを使っていた1618人に対し、車両の座席にそのまま座っていた子どもが364人(14.8%)、大人用のシートベルトを着けていた子どもが352人(14.3%)いた。1歳未満で大人用シートベルトを着けていたのは3人(0.2%)にすぎず、年齢が上がるほど「もう普通の席でいい」という扱いに切り替わっている。
道路交通法第71条の3第3項は、チャイルドシートを使わない6歳未満の幼児を乗せて運転してはならないと定めている。5歳はこの義務の対象に含まれる。警察庁は今後の対策として、体格の事情でシートベルトを適切に着用させられない6歳以上の子どもについても、チャイルドシートの使用を呼びかけるとしている。
助手席は68.6%、後部座席は86.0%
乗る位置によっても差が出た。助手席に乗っていた1478人の使用率は68.6%で、後部座席の1万1436人の86.0%を下回った。助手席では乗車人数の31.4%がチャイルドシートを使っておらず、そのうち257人は大人用のシートベルトを着けていた。
使っていたチャイルドシート651台の内訳は、安全基準では新しい「R129」が59.9%、従来の「R44」が40.1%だった。R129は2013年に導入された国連の基準で、身長を基準にサイズを選ぶ方式や側面衝突への対応が加わっている。固定方法は、車体側の金具に直接つなぐISOFIXが58.8%、シートベルトで留める方式が41.2%だった。
最も多い誤りは「締め付け不足」
取り付けの誤りで最も多かったのは、乳児用・幼児用のいずれも腰ベルトの締め付け不足で、乳児用の誤り38件のうち47.4%、幼児用の73件のうち57.5%を占めた。チャイルドシートが座面に沈み込むまで押し付けられておらず、緩んだまま固定されている状態を指す。次いで乳児用ではサポートレッグ(座席下で本体を支える脚)の調節不良が23.7%、幼児用では座席ベルトの通し方の間違いが12.3%だった。
座らせ方では、乳児用・幼児用ともハーネス(子どもの体を留めるベルト)の締め付けが緩いものが最も多く、乳児用の誤り121件のうち52.1%、幼児用の140件のうち47.9%にのぼった。学童用では座席ベルトのよじれ・ねじれが20.2%、肩ベルトの通し方の間違いが19.2%と続いた。しっかり座らせられていた割合は乳児用59.0%、幼児用52.2%、学童用65.0%で、幼児用が最も低かった。
致死率は適正使用0.11%、不使用0.56%
警察庁が別にまとめた統計では、2021年から2025年までの5年間に自動車に同乗中の事故で死傷した6歳未満の幼児は1万5741人で、うち37人が死亡した。チャイルドシートを適正に使っていた1万2200人のうち死者は13人で、致死率は0.11%。使っていなかった2846人では16人が死亡し、0.56%だった。使っていなかった場合の致死率は、適正に使っていた場合のおよそ5.3倍にあたる。
このほか、事故でチャイルドシートがシートベルトから完全に分離したり、子どもが飛び出したりした「不適正使用」は430人で、うち6人が死亡し、致死率は1.40%だった。この区分は事故後の状態によって分類されるため、衝撃の大きい事故ほど当てはまりやすい面がある。
2025年に自動車同乗中に死傷した6歳未満の幼児2874人のうち、チャイルドシートを使っていた人の割合は83.5%で、前年の81.0%から上がった。死傷者数そのものは10年前の2015年の7661人から2874人へ減っており、事故に遭う子どもの数は大きく減っている。
