経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は7月2日、生成AIの開発力を高める国のプロジェクト「GENIAC(ジーニアック)」で、企業のデータを生成AIに活用するための研究開発テーマ9件を新たに採択したと発表した。

「GENIAC」とは

GENIACは「Generative AI Accelerator Challenge」の略で、経産省とNEDOが2024年2月に始めた。生成AIの土台となる「基盤モデル」を国内で開発する力を育てることが狙いだ。基盤モデルの開発には膨大な計算が必要になるため、GENIACは開発に使う計算資源(高性能な半導体などの計算能力)の提供支援や、開発者が知見を共有するコミュニティの運営などを進めてきた。

生成AIは、海外の巨大IT企業が先行している。日本語や国内の産業に強いAIを自前で持てるかどうかは、経済安全保障の観点からも重要とされ、国が開発を後押ししている。

「データエコシステム」9件を採択

今回採択したのは、「データエコシステムの構築」などに関する研究開発だ。データエコシステムとは、複数の企業や組織がそれぞれ持つデータを、安全に持ち寄って共有し、活用し合う仕組みを指す。

採択テーマは、データを持つ企業(データホルダー)とAI開発者が連携し、社内に眠っているデータの利活用や、新たなデータの構築・拡充を進めるもの。複数の企業にまたがるデータを適切に集め、使えるようにする仕組みづくりと実証を、助成金で支援する。公募は2026年3月25日から4月23日に行われ、事業期間は2026年度から2028年度のうち最大2年間となる。

データが生成AIの土台に

経産省は背景として、経済活動のデジタル化が進むなか、データが生産性向上やイノベーションの基盤になっていると指摘する。生成AIは大量のデータで学習して賢くなるため、質の高いデータをどれだけ集められるかが、性能を左右する。

もっとも、企業のデータは競争上の秘密や個人情報を含むことも多く、そのままでは持ち寄りにくい。今回の支援は、こうしたデータを安全に生かす仕組みを整え、国産の生成AIやその活用を広げる狙いがある。GENIACは計算資源の提供に加え、データ整備の面からも国内のAI開発を支える段階に入った。