9月13日に投開票された沖縄県知事選で、期日前投票を済ませた人は34万7170人だった。県選挙管理委員会の最終集計によると、選挙人名簿登録者117万6321人(8月26日現在)の29.51%にあたる。投票者数71万7713人に占める割合は48.4%で、投票した人のほぼ半数が投票日を待たずに投票を終えていた。

期日前投票は投じられた票の48.4%

期日前投票は8月28日に始まり、12日まで受け付けた(竹富町は11日まで)。県選管の集計では、8月30日時点が1万8572人で1.58%、9月6日時点が7万3564人で6.25%、11日時点が27万3583人で23.26%と推移し、最終の12日時点で34万7170人・29.51%に達した。終盤の1週間で27万人分が積み上がった計算になる。

この34万7170人が持つ意味は、投票の確定値と並べるとはっきりする。県選管の投票確定によると、当日有権者数は116万5704人、投票者数は71万7713人で、投票率は61.57%だった。期日前投票者数はこの投票者数の48.4%にあたる。選挙戦の帰趨に関わる票のほぼ半分が、13日を迎える前にすでに投じられていたことになる。

なお、期日前投票の集計で分母となる選挙人名簿登録者数(8月26日現在の117万6321人)と、投票確定で用いる当日有権者数(116万5704人)は数え方が異なるため、同じ選挙でも1万617人の差がある。29.51%と48.4%はそれぞれ別の分母に対する割合である。

期日前投票は、投票日に仕事や冠婚葬祭がある、旅行やレジャーで投票区の外に滞在する、入院しているといった事由が見込まれる場合に、告示日の翌日から投票日前日まで使える制度だ。滞在先から住所地の市町村へ投票用紙を請求する手続きが要る不在者投票と違い、期日前投票所へ行けばその場で投票を済ませられる。県内には期日前投票所が71か所、不在者投票の場所が45か所設けられた。

離島の村で6割超 郡部が市部を上回る

内訳は、11市を合わせた市部が25万8705人(28.45%)、町村の郡部が8万8465人(33.15%)で、郡部が市部を上回った。

市町村別で最も高かったのは渡名喜村の67.05%(175人)で、伊是名村65.95%(643人)、伊平屋村62.47%(581人)、伊江村59.04%(2041人)、渡嘉敷村53.89%(284人)と、離島の小規模自治体が上位を占めた。投票日に船や飛行機の便が限られる島では、期日前に済ませる選択が取りやすい事情がある。

市部では名護市の40.67%(2万874人)が最も高く、石垣市34.44%(1万3486人)が続いた。有権者が最も多い那覇市は25万3176人のうち6万8484人が期日前投票を利用し、27.05%だった。全41市町村で最も低かったのは恩納村の17.58%(1460人)である。

投票率は57.92%から61.57%へ

投票率61.57%は、前回の57.92%から上がった。男女別では男性が60.86%、女性が62.24%で、女性が上回っている。市部が60.67%、郡部が64.63%で、ここでも郡部が高い。

県選管の投票速報は、市町村ごとに前回(2022年)の投票率も並べて載せている。同じ日に県議会議員補欠選挙が行われた5市町を見ると、うるま市は52.50%から58.36%、与那原町は56.33%から58.85%、南風原町は61.44%から64.00%、八重瀬町は63.47%から65.59%へ上がった。この5市町で唯一下がったのが南城市で、68.52%から62.70%になっている。

この選挙は無所属新人の古謝玄太氏が初当選し、3期目を目指した現職の玉城デニー氏らを破った。開票結果は14日午前1時10分に確定し、古謝氏42万3124票、玉城氏27万6060票で票差は14万7064票だった。

県選管は集計の誤りを受け、9月1日に東村の選挙人名簿登録者数、11日に名護市、12日に竹富町と渡嘉敷村の期日前投票者数、16日に沖縄市の投票者数などについて、計5回の訂正を公表している。本記事の数値はいずれも訂正後のものである。

同じ投票所の県議補選は、投票者が4802人少ない

13日には県議会議員補欠選挙も、うるま市選挙区と島尻・南城市選挙区(南城市・与那原町・南風原町・八重瀬町)の2選挙区で行われた。知事選と同じ日、同じ投票所での投票だが、実際に票を投じた人数は一致していない。

県選管の投票速報(県議補選。23時02分確定)によると、2選挙区の選挙当日有権者数は21万223人、投票者数は12万3200人で、投票率は58.60%だった。選挙区別では、うるま市選挙区が有権者10万188人に対し投票者5万6198人で56.09%、島尻・南城市選挙区が有権者11万35人に対し投票者6万7002人で60.89%である。

同じ5市町について知事選の投票確定を見ると、投票者数はうるま市が5万8469人(58.36%)、南城市2万3223人(62.70%)、与那原町9219人(58.85%)、南風原町2万237人(64.00%)、八重瀬町1万6854人(65.59%)で、合わせて12万8002人になる。県議補選の12万3200人との差は4802人である。投票所まで足を運んで知事選の票を投じながら、県議補選の投票箱には入れなかった人がこれだけいたことになる。

この差は期日前投票の段階から出ていた。県選管の期日前投票者数最終結果(9月12日時点)では、5市町の期日前投票者は知事選が6万1523人、県議補選が5万6317人で、5206人の差があった。最終の4802人より404人大きい。ただし知事選の投票速報は9月16日の訂正版、県議補選の投票速報は13日23時02分の確定値で、確定の時点が異なる。当日有権者数も与那原町で23人など、両者には計20人の差がある。

棄権だけでなく、投じたうえで票にならなかった分もある。開票確定(県議補選)によると、2選挙区の投票総数12万3198票のうち有効投票は11万8561票、無効投票は4637票で、無効投票は投票総数の3.76%を占めた。選挙区別ではうるま市選挙区が5万6198票のうち1714票で3.05%、島尻・南城市選挙区が6万7000票のうち2923票で4.36%。市町村別では八重瀬町が1万6507票のうち860票で5.21%、南風原町が1万9695票のうち1023票で5.19%と高く、南城市は2万2230票のうち681票で3.06%、与那原町は8568票のうち359票で4.19%だった。なお投票者数12万3200人と投票総数12万3198票には2票の差があり、県選管は「不受理等」として与那原町と南風原町に各1を計上している。

県議補選の2議席はいずれも自民党

うるま市選挙区は3人で争われ、自由民主党の高屋ゆう氏が2万8723票で当選した。無所属の照屋タイガ氏が2万4476票、無所属のニシムラシン氏が1285票で、高屋氏と照屋氏の票差は4247票だった(知事選の開票確定とあわせた記事でも触れている)。

島尻・南城市選挙区は2人の争いで、自由民主党のザハはじめ氏が3万3868票、無所属の高岡なおこ氏が3万209票を得て、ザハ氏が3659票差で当選した。市町村別では、南城市がザハ氏1万2516票・高岡氏9033票、与那原町がザハ氏4325票・高岡氏3884票、八重瀬町がザハ氏8200票・高岡氏7447票。高岡氏が上回ったのは南風原町だけで、同町は高岡氏9845票・ザハ氏8827票だった。

2議席はいずれも自民党の候補が得た。同じ日の知事選では、自民党が推薦した古謝氏が玉城氏を破っている。

立候補は6人、現職は3期目を目指した

県選管が公表した候補者情報によると、届出順に古謝げんた、カネシマシュン、すえよしまさひろ、玉城デニー、ヒガタカシ、屋良朝助の6氏。党派は屋良氏が琉球独立党で、残る5人は無所属として届け出た。

玉城氏は2018年9月に知事へ初当選し、22年に再選された現職で、今回は3期目を目指した。古謝氏は公式サイトで前那覇市副市長、元総務省職員と経歴を示していた。自民党は11日付のメールマガジンで、古謝氏を推薦候補として支援を呼びかけた。

県選管は6人分の選挙公報をホームページで公開し、視覚障害のある人向けに音声読み上げ用のデータも用意した。

投票所313か所、60か所で時刻を繰り上げ・繰り下げ

投票時間は原則、午前7時から午後8時まで。県選管によると、当日の投票所は313か所で、このうち60か所は開閉の時刻を繰り上げるか繰り下げた。国頭村の8か所、今帰仁村の5か所、与那国町の3か所などは、村内・町内のすべての投票所が対象だった。ポスター掲示場は2350か所である(9月4日時点)。

期日前投票が投じられた票の半分近くを占める傾向は、規模の小さい市町村でも同じである。2026年9月の北茨城市長選、今井路江氏が初当選 8242票で次点に1504票差 投票した1万9462人のうち1万1220人が期日前投票 投票率は前回の48.43%から57.89%へでは、投票した1万9462人のうち1万1220人が期日前投票で、当日投票の8061人を上回った。

今回の選挙からは、投票用紙が横長から縦長に変わった。