国民民主党の玉木雄一郎代表は15日の定例記者会見で、沖縄振興予算について「3000億円台ということは確保することが必要ではないかなと、改めて我々としても政府与党にも要請していきたい」と述べた。同党の公式サイトが冒頭発言の概要を公表した。13日投開票の沖縄県知事選では同党も推薦した古謝玄太氏が初当選している。玉木氏は「新しい体制になって、さらに経済政策を前に進める上でも」と述べ、予算規模の回復が必要だとする理由を新県政の発足に結び付けた。

3010億円から2647億円へ、4年で363億円減った

玉木氏が「3000億円台」と言うとき、基準になっている数字がある。内閣府沖縄担当部局の資料によると、沖縄振興予算は平成30年度から令和3年度まで4年続けて3010億円で横ばいだった。それが令和4年度に2684億円となり、1年で326億円減った。令和7年度は2642億円、令和8年度は2647億円で、直近は2600億円台で推移している。平成30年度と令和8年度を比べると363億円少ない。

令和4年度は、沖縄振興特別措置法の期限を迎えて新しい沖縄振興計画が始まった年にあたる。玉木氏は会見で「元々玉城知事の時から一時のレベルからかなり下がっていた」と述べ、水準が切り下がった時期として玉城デニー前知事の在任期間を挙げた。

概算要求は2897億円、3000億円まであと103億円

では今どこまで来ているか。内閣府が示した令和9年度の概算要求は2897億円と、金額を明示しない「事項要求」の組み合わせである。令和8年度予算の2647億円から250億円の積み増しで、2600億円台を抜けて2800億円台に乗る。ただし玉木氏の言う3000億円台には103億円届かない。事項要求として国土強靱化の取り組みが別に積まれるため、年末の予算編成でどこに着地するかはまだ決まっていない。

概算要求の中身を見ると、米軍基地の跡地を自治体が先行して買い取る事業費が令和8年度の51億円から71億円へ、沖縄科学技術大学院大学(OIST)関連経費が200億円から239億円へ増える。県が使い道を選べる沖縄振興一括交付金は736億円から783億円になる。新規事業には、人手不足対策として機械に体を持たせる「フィジカルAI」の開発・実装を支援する11億円、量子コンピュータとAIを組み合わせた事業モデルを検討する1億円が並ぶ。

県連は4人体制、新県政との連携を掲げる

沖縄振興予算は、国が沖縄県分を内閣府に一括計上する特別な仕組みで、他県のように各省庁の予算へ分散していない。それだけに総額がそのまま国と県の関係を映す数字として扱われ、毎年の増減が政治的な意味を持ってきた。

玉木氏は会見で、県知事選に加えて那覇市議選や沖縄市議選などの結果にも触れ、国民民主党沖縄県連の所属議員が4人になったと説明した。そのうえで「古謝玄太、新たな県政とも連携を図っていきたい」と述べている。同党は那覇市議に加えて沖縄市議2人、竹富町議1人が当選したとしており、石垣市議選では議席を得られなかった。

同党は9月15日で結党から6年を迎えた。玉木氏は当初15人だった所属国会議員が衆参で53人に、地方議員が約400人になったと述べた。令和9年度予算の政府案は年末に閣議決定される見通しで、沖縄振興予算の額もそこで固まる。