政府は9月17日、第2次高市改造内閣の発足にあわせて開いた初閣議で、若宮健嗣氏ら3人を内閣総理大臣補佐官に任命し、尾上定正氏ら4人を退任させることを決めた。首相官邸が同日付で公表した名簿によると、新しい補佐官は5人で、うち2人が前内閣から留任している。

「外国人政策」が消え、「物価高対策・責任ある積極財政」が入る

新しい5人と担当は次の通り。若宮健嗣氏(衆院)が国家安全保障に関する重要政策及び核軍縮・不拡散問題担当、遠藤敬氏(衆院)が連立合意政策推進担当、佐々木紀氏(衆院)が地域未来戦略担当、松本尚氏(衆院)が物価高対策・責任ある積極財政・デジタル政策担当、宇野善昌氏が国土強靱化及び復興等の社会資本整備並びに科学技術イノベーション政策その他特命事項担当となっている。

令和7年10月21日発足の前内閣の名簿と並べると、入れ替わりがはっきりする。安全保障担当は尾上定正氏から若宮氏へ、地域未来戦略担当は井上貴博氏から佐々木氏へ交代した。遠藤氏と宇野氏は担当もそのままの留任だ。

一方、前内閣で松島みどり氏が務めた「外国人政策担当」の補佐官は置かれていない。外国人政策そのものが引き継がれていないわけではなく、閣僚名簿では小野田紀美氏が「外国人との秩序ある共生社会推進担当」を持つ。補佐官の枠は、新設の「物価高対策・責任ある積極財政・デジタル政策担当」に振り替わった形になる。物価高対策と財政運営、デジタル政策という三つを一人で受け持つ設計だ。

佐々木氏については、同じ17日の持ち回り閣議で国土交通副大臣を退任させることも決まっている。副大臣から首相補佐官へ移った形だ。この持ち回り閣議では、内閣官房副長官に中西祐介氏(参院)を任命し、佐藤啓氏を退任させることも決定した。

補佐官は「5人以内」 法律で枠が決まっている

内閣総理大臣補佐官は内閣法第21条に基づく職で、条文は「内閣官房に、内閣総理大臣補佐官五人以内を置く」と定めている。仕事は、首相の命を受けて「国家として戦略的に推進すべき基本的な施策その他の内閣の重要政策のうち特定のもの」にかかる企画・立案で首相を補佐すること。閣僚ではなく、省庁に対する指揮命令権も持たない。首相の手元で特定の政策を進めるための職だ。

同条は、補佐官のうち1人を国家安全保障に関する重要政策の担当に指定するよう求めている。今回その役を担うのが若宮氏で、核軍縮・不拡散問題もあわせて受け持つ。

上限が5人である以上、枠は有限だ。どの政策に補佐官を張り付けるかは、そのまま政権が何を最優先に据えたかを示す。今回、外国人政策の枠を外して物価高と財政、デジタルに振り向けた判断は、その意味で分かりやすい。

首相臨時代理は木原官房長官が第1順位

木原稔官房長官は17日夕の記者会見で、初閣議の概要を説明した。内閣の基本方針を決定したことに続けて、内閣法第9条に基づく内閣総理大臣の臨時代理が指定されたと発表している。

順位は、第1が木原官房長官、第2が茂木敏充外相、第3が細野豪志復興相、第4が赤澤亮正経済産業相、第5が片山さつき財務相。内閣法第9条は「内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う」と定めており、首相が急病や事故で職務を執れない場合に、この順番で職務を代行する。あらかじめ決めておくことで、空白をつくらない仕組みだ。

木原氏は会見の最後に「副大臣及び大臣政務官の人事につきましては、明日行う予定であります」と述べており、政務三役の顔ぶれは18日に固まる。