農林水産省は11日、コメの販売会社「越後ファーム」(新潟県東蒲原郡阿賀町)に対し、袋詰め精米9商品の表示が食品表示法に違反していたとして、同法6条1項に基づき表示の是正を指示したと発表した。産地や品種が同一ではない原料玄米を使いながら、袋に「単一原料米」と表示していた。
「単一原料米」と書ける条件
玄米・精米の表示は、食品表示基準で細かく決められている。袋に「単一原料米」と書けるのは、原料となる玄米の産地・品種・産年がすべて同一で、その根拠を示す資料を事業者が保管している場合に限られる。根拠資料がなければ「同一の原料玄米」とはみなされず、この表示は使えない。
2021年7月の制度改正で、農産物検査による証明を受けていなくても、根拠資料を保管していれば産地・品種・産年を表示できるようになった。表示できる範囲が広がった代わりに、資料の保管が表示の前提としてはっきり位置づけられた形だ。
産地や品種、産年が異なるコメを混ぜた場合は「複数原料米」と表示し、国産か輸入かの別と、それぞれの使用割合を書かなければならない。買い手が袋の表示だけで中身を判断できるようにするための仕組みである。
対象は9商品・439袋
農水省によると、同社は使用した原料玄米が同一でないにもかかわらず「単一原料米」と表示していた。産地と品種、または品種が同一でない場合にも原料玄米欄に「単一原料米」と記載し、使用割合を表示しないなど、事実と異なる表示をしていたという。食品表示基準19条(別表24「玄米及び精米」の原料玄米の項)や23条の規定に違反すると判断した。
対象となったのは「新潟県十日町産循環有機栽培米こしひかり」など9商品。2025年12月10日から2026年4月17日までに、合わせて439袋・313.8キロが売られた。
10月13日までに報告書
指示では、同社が扱う全食品の表示を点検して是正すること、原因を究明して分析すること、再発防止対策を実施すること、全役員・従業員に食品表示制度を周知することを求めた。原因の究明にあたっては「消費者を意識する姿勢の欠如」と「管理体制の不備」を含めて分析するよう指示している。報告書の提出期限は10月13日。
食品表示法の「指示」は、行政が事業者に是正を促す最初の段階にあたる。指示に従わない場合は命令が出され、命令に違反すれば罰則の対象になる。コメは産地や品種によって価格が異なり、袋の表示が取引や購入の判断材料になる。農水省は消費・安全局や地方農政局を通じて、袋詰め精米の表示を継続的に監視している。
