うその電話やSNSでお金をだまし取る特殊詐欺の被害が、2026年に入っても急増している。警察庁のまとめ(暫定値)によると、今年3月末までの認知件数は1万1093件、被害額は937億9000万円に上り、前年の同じ時期を件数で2576件、金額で413億9000万円上回った。

1日あたり10億円が奪われる

被害額を単純に日割りすると、1日あたり10億4000万円が奪われている計算になる。前年(8億9000万円)から1億5000万円増えており、被害の深刻さが増している。

特殊詐欺は、家族や公的機関の職員などを装って電話やメッセージで接触し、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、指定した口座に振り込ませたりする犯罪の総称だ。高齢者が被害に遭いやすいとされてきたが、近年はSNSを入り口にした手口で、幅広い世代が標的になっている。

SNS型投資詐欺が被害の半分

被害を大きく押し上げているのが「SNS型投資詐欺」だ。警察庁によると、この手口の被害額は特殊詐欺全体の約48.6%と、半分近くを占める。

SNSやマッチングアプリで知り合った相手や、著名人になりすました広告を通じて「必ずもうかる」と投資を持ちかけ、偽の運用サイトなどに送金させる手口だ。最初は少額の「利益」を見せて信用させ、大金を振り込ませたうえで、出金できなくなるケースが多い。恋愛感情につけ込む「ロマンス詐欺」と組み合わされることもある。

「ニセ警察詐欺」も独立の手口に

警察官や検察官をかたる「ニセ警察詐欺」も増えている。「あなたの口座が犯罪に使われている」などと不安をあおり、お金を移させる手口で、警察庁は2026年からこれを独立した手口として集計するようになった。

警察庁は、SNSでの投資の誘いや、公的機関を名乗って金銭を求める連絡は詐欺を疑うよう呼びかけている。公的機関がSNSで投資を勧めたり、電話でキャッシュカードの暗証番号を尋ねたりすることはない。うまい話や、急かす連絡には応じないことが、被害を防ぐうえで重要になる。