2025年度に国が集めた一般会計の税収が84兆2226億円となり、前の年度を12%上回って6年連続で過去最高を更新したことが、財務省の集計で分かった。好調な企業業績や物価高、賃上げを背景に主要な税目がそろって伸びた。飲食料品の消費税減税をめぐる議論が続くなかでの大幅な増収で、減税の財源をどう考えるかにも影響しそうだ。
法人税がバブル期超え、過去最高に
税収を押し上げた最大の要因は法人税だ。前年度から20%あまり増えて21兆7450億円となり、これまで最高だったバブル期の1989年度の18兆9933億円を大きく上回った。企業の利益にかかる法人税が過去最高になったのは、輸出企業を中心に業績が好調で、円安も海外で稼ぐ企業の利益を膨らませたためとみられる。
法人税は景気の波を受けやすく、企業がもうかれば増え、業績が悪化すれば減る。今回の記録更新は、日本企業の稼ぐ力がバブル期の水準を名目上は超えたことを示している。
物価高が押し上げる消費税・所得税
消費税は前年度比4%増の26兆278億円で、税目別で最も多かった。消費税は買い物の金額に応じてかかるため、物価が上がって同じ量を買っても支払額が増えれば、その分だけ税収も自然に増える。物価高が続く局面では、消費税収が膨らみやすい構造がある。
所得税も20%あまり増えて25兆2565億円となった。賃上げで働く人の給与が増えたことに加え、株式の配当や売却益が伸びたことも寄与したとみられる。
減税論議の中での「増収」
税収の記録更新は、政府にとって財政運営の余裕につながる一方で、物価高に苦しむ家計から見れば「取りすぎではないか」との声も出やすい。実際、高市政権は物価高対策として飲食料品の消費税減税を検討しており、減税を求める世論は根強い。
もっとも、税収が増えた背景には物価高という家計の負担そのものがある。名目の税収が過去最高でも、それが暮らしの豊かさを意味するとは限らない。増えた税収を減税や給付に回すのか、社会保障や借金の返済に充てるのか。使い道の議論が今後の焦点となる。