中道改革連合は9月8日の執行役員会と9日の常任幹事会で、所属する衆院議員が新党の結成と公明党への復党に分かれる「新たな形態」への移行を決めた。今年1月15日の結党から8か月での分党となる。党はその後、16日の議員総会で小川淳也代表の辞任と新党結成を了承し、渡辺創氏を新代表に選んだ。

結党から8か月、「3党が一つになる形」は実現せず

党が公表した決定文書によると、中道改革連合は結党以来、「リベラル・穏健保守などを幅広く含む中道勢力の結集体」として、政権を担い得る政治勢力になることを目指して活動してきた。

文書はまず、「中道改革連合、立憲民主党、公明党が一つになるという形を実現できなかった」ことについて、「中道改革連合に一票を託してくださった皆様、さまざまな形で活動を支えてくださった皆様に、心からお詫び申し上げる」と謝罪している。

結党時には、今年2月の衆院総選挙の後に立憲民主党と公明党の参院議員らが中道改革連合へ組織的に合流することが予定されていた。ところが文書は「3党の協議の結果、その前提は大きく変わった」とし、それでも「約束と託された一票の重みを考えれば、3党合流が実現しなかったからといって、この歩みを終わらせるわけにはいかない」と続けた。

小川代表は9日の記者会見で「私自身の力不足を含め、責任を痛感している」と述べる一方、「掲げた中道改革勢力の拡大という目標、旗そのものを下ろすことはない。社会の平和と安定にとって極めて必要な大きな要素であるという信念、確信はいささかも揺るがない」と強調した。分党については「1党建てより2党建て、一輪車より二輪車という形で当初見定めた頂を目指す」と説明している。

決定文書の5項目と、その後に起きたこと

決定文書は5項目からなる。所属衆院議員が新党への結集や公明党への再結集を通じて中道政治を前進させること、次期臨時国会で衆院内に会派「中道」を結成すること、移行後も政策立案や選挙活動を含むすべての政治活動で最大限協力すること、党は所属国会議員1名を残して当面の間政党として存続し清算活動を完了した後に最終的な組織整理を行うこと、総支部長の意思を確認しつつ政党支部の解散までその活動を支援することを挙げた。

小川代表は11日の定例会見で、立憲民主党出身の21人で新党を立ち上げ、公明党出身の28人は公明党に復党すると明らかにした。統一会派については「願わくば来週中にも一定の結論を得て、公明党に復党する公明出身の28人と固く結束をして衆院での統一会派の結成、届け出までいきたい」と述べた。双方が同時に離党してから会派を組む形にした理由は「両者の対称性を維持することに腐心した。両出身母体別に非対称であってはならない」と語っている。

その後の経過は、この記事の続報にあたる中道改革連合、新代表に渡辺創氏 国会議員48人の離党を承認し1人だけ党に残る 全国約190総支部の整理を担うと、立憲民主党出身議員の新党「民主改革の会」、17日に「政党」として届出 代表に小川淳也氏、会計責任者に階猛氏 同じ日に中道改革連合の代表交代も告示で伝えている。衆議院が公表した令和8年9月28日現在の会派別所属議員数では、会派「中道」は47人(うち女性8人)で、自由民主党・無所属の会の315人に次ぐ規模だ。会派の発足までの経緯は衆院に統一会派「中道」結成、47人で自民に次ぐ第2会派に 公明出身27人と民主改革18人ら 公明党は28人の復党を承認し衆参49人にまとめている。なお、小川代表が11日に示した21人と28人を足すと49人になるが、衆議院が示した会派「中道」の47人とは一致しない。その差の理由は、党や衆議院が公表した資料からは確認できていない。

2月から立憲民主党、中道改革連合、公明党の3党で続けてきた政調の連携については、立憲民主党が10月15日に政調審議会を党単独で開く方針を示した(立憲、政調審議会を単独開催に 中道・公明との3党合同から転換、徳永政調会長「他の野党とも協力」)。

なぜ1人だけを党に残すのか

分党の形は、旧政党ごとに党を割る方式にはしなかった。渡辺新代表は16日の会見で、党組織について協議した結果、中道改革連合を渡辺氏1人が引き継ぎ、組織・会計・法務面の整理を終えた後に新党へ合流する方針を選んだと説明している。16日の議員総会では、所属議員49人のうち48人が離党手続きに入り、残る1人に当時組織委員長だった渡辺氏を充てることが了承された。小川氏の代表辞任と渡辺氏の後任選出は全会一致だったという。

1人に権限と資金が集まる形については、党内でも批判を意識していた。小川氏は議員総会で、渡辺氏が政党交付金の管理や社会的・経済的責任を一手に担う形について「有権者に分かりにくい」との批判が出ていることを認め、「外形的な批判をより重く受け止めるべきだった」と述べた。そのうえで、職責や権限を定めた内部規定を整え、合議制や責任分担でガバナンスを確保するとしている。渡辺氏も、常任幹事会に非現職の総支部長経験者や党職員代表を加え、重要な意思決定をする仕組みを作るとした。

残る作業の中心は、全国約190の総支部の整理だ。渡辺氏は会見で、支部の閉鎖手続きに加え、政治資金収支報告書などの作成と法定監査への対応を挙げた。衆院選の後に事務所や人員を縮小した支部が多く、通常なら数か月かかる作業を短期間で進める必要があるという。顧問弁護士や会計士の助言を得ながら手続きを進めるとしている。

政党交付金は議員数割と得票数割が半分ずつ

議員1人を残して党が存続することで、政党交付金を受け取り続けられる状態も残る。この交付金がどう決まる仕組みなのかを、制度の側から見ておきたい。

政党交付金は、政党助成法に基づいて国が政党に資金を配る制度だ。総務省の説明によると、毎年の総額は、基準日(通常1月1日)の直近に官報で公示された国勢調査の結果による確定数に250円を掛けた額を基準として、予算で定める。総務省は令和2年国勢調査の人口1億2614万6099人に250円を掛けた約315億円を例として示している。

各政党への配分は2本立てだ。総額の2分の1は所属する衆参両院の議員数に応じた「議員数割」、残る2分の1は衆院総選挙と参院通常選挙の得票数に応じた「得票数割」で計算し、その合算額が交付すべき額になる。つまり議員が1人でも、過去の得票が残っていれば得票数割の部分は算定に乗る。

交付の対象になる政党の要件は2通りある。所属国会議員が5人以上いるか、所属国会議員が1人以上いて、前回の衆院選、前回の参院選、前々回の参院選のいずれかで全国を通じた得票率が2%以上あることだ。要件を満たしても、政党届を総務大臣に出さなければ交付は受けられず、さらに法人格付与法に基づく法人になっていなければ交付金を受け取れない。

交付は年4回 10月分は「残額の2分の1」

交付は年1回ではなく、4月・7月・10月・12月の年4回に分けて行われる。各月の交付額は、4月分が算定額の4分の1、7月分が残額の3分の1、10月分が残額の2分の1、12月分が残った全額と決められている。交付請求の期限は原則として各月とも10日までで、交付金は20日に交付される。

中道改革連合の令和8年分の額は、総務省が4月8日に公表した交付決定で23億3881万2千円だった。交付を受ける11政党のうち5番目で、全体に占める割合は7.42%。結党が今年1月のため、前年の交付額との比較は「皆増」となっている。この額を上の決まりどおりに4回に分けると、1回あたり5億8470万3千円になり、10月分と12月分を合わせると11億6940万6千円になる。総務省の資料は、交付が「各政党からの交付請求に基づいて」行われると明記している。10月分の請求期限は10月10日で、党が請求したかどうかは、党と総務省の公表資料からは確認できていない。交付金を請求しない選択肢と金額の内訳は、中道改革連合の政党交付金、残る11億円は請求するな 10月と12月分は請求書を出さなければ交付されないで論じている。

小川代表は11日の会見で、党が交付金を受け取り続けることへの返還要求に対し「批判があることは極めて厳しく、謙虚に受け止めたい」と述べた。そのうえで、民間業者に対する「何十億円という総選挙の支払いの精算が終わっていない状況」だとし、交付金の使途は「年末もしくは年始にも確定した状況を報告できるよう検討したい」と説明した。

自身の責任の取り方については「一連の経過並びに結果責任が重大であることは誰よりも自覚している」としたうえで、「一般論として、責任とは取るべきものであると同時に、果たし続けるものでもある。私の一存をもってできる部分と、一存ではいかんともしがたい部分がある。まずは新党が船出できるよう、その作業および調整に専念し、責任の取り方ないし果たし方については熟慮したい」と述べるにとどめた。

渡辺新代表は16日の会見で、「関係者の皆さん、総支部長、全国で支援いただいた多くの皆様に、1人の国会議員として大変申し訳なく思っている」と述べ、「しっかりとその職務と向き合ってまいりたい」と語った。党の側に残る作業として、全国約190の総支部の整理を最も重い課題に挙げている。