国民生活センターは9月16日、2025年度に全国の消費生活センターなどへ寄せられた「危害・危険情報」の状況を公表した。商品やサービスで実際にけがや体調不良を負ったという「危害情報」は1万3432件で、2024年度の1万2808件から624件増えた。けがには至らなかったが、そのおそれがあったという「危険情報」2467件と合わせると1万5899件で、前年度の1万5103件から5.3%増えている。

センターによると、危害・危険情報は全国の消費生活センターと同センターをつなぐデータベース「PIO-NET(パイオネット)」に登録された相談から集計したもので、今回は2026年5月末日までの登録分を対象とした。

化粧品が最多、美容医療を含む「医療サービス」が2位に

危害情報を商品・サービス別にみると、最も多かったのは化粧品の2847件で、全体の21.2%を占めた。2024年度の2999件からは152件減っている。内訳では化粧クリームが206件、ファウンデーションが181件それぞれ増えた一方、乳液が249件、養毛剤が122件減った。

2位は美容医療を含む「医療サービス」の1442件で、2024年度の1258件から184件増え、順位も3位から上がった。このうち美容医療に関するものが918件と63.7%を占める。3位は健康食品の1418件で、2024年度の1880件から462件減った。

増え方が目立ったのは、体に直接手を加えるサービスだった。歯科治療は2024年度の402件から546件へ、整体は365件から491件へ、美容院は58件増、エステティックサービスは45件増といずれも増加している。これらを含む「保健・福祉サービス」は3885件となり、2024年度に最も多かった化粧品などの「保健衛生品」3629件を抜いて、分類別の首位に立った。

20歳代は美容医療、70歳以上は化粧品と健康食品

けがの内容別では、皮膚障害が4186件で最も多く、全体の31.2%を占めた。脱毛や歯の損傷、頭痛などを含む「その他の傷病及び諸症状」が4164件でほぼ並び、こちらは2024年度の3689件から475件増えている。消化器障害は1549件で、うち786件は健康食品によるものだった。

被害者は女性が9784件で72.8%を占め、男性の3389件を大きく上回っている。年代別では70歳以上が2983件で最も多く、50歳代2515件、60歳代2324件と続いた。

年代によって、何でけがをするかははっきり分かれる。20歳代は医療サービスが257件で最多となり、エステティックサービス116件、外食97件が続いた。30歳代も医療サービスが206件でトップだった。一方、60歳代は化粧品813件、健康食品374件、70歳以上は化粧品855件、健康食品523件の順で、通信販売や定期購入をきっかけにした相談が目立つ。報告書に載った事例には、テレビショッピングで買った育毛剤や、携帯電話の通販サイトで買った美容クリームで湿疹が出たという70歳代女性のものがあった。美容医療では、レーザー脱毛の3回目の施術でやけどを負った10歳代の女性の例が挙がっている。

「危険情報」は四輪自動車が356件で最多

けがには至らなかった「危険情報」2467件では、電気ポットや電子レンジなどの「住居品」が618件で最も多く、「車両・乗り物」が519件で続いた。商品・サービス単位では四輪自動車が356件で最多となっている。賃貸アパート・マンションに関するものを含む「レンタル・リース・貸借」は、2024年度の71件から125件に増えた。

国民生活センターは、協力する医療機関から消費生活で起きた事故の情報を集める「医療機関ネットワーク」も運営しており、2025年度は2656件の基本情報と58件の詳細情報を集め、これをもとに消費者への注意喚起を5件行った。同センターは今回の集計結果を消費者庁と内閣府消費者委員会に提供している。2025年度分の危害・危険情報は、2026年5月末日までにPIO-NETへ登録されたものが対象で、その後に登録された相談は次年度の集計に反映される。