国民民主党は7月10日、少額投資非課税制度(NISA)の対象に国債を加えることを柱とした議員立法「国債NISA法案」を参議院に提出した。玉木雄一郎代表がX(旧ツイッター)で「国民民主党は『国債NISA法案』を国会に提出しました」と明らかにした。法案の正式名称は「少額投資非課税制度における国債に係る所得に対する所得税の非課税に関する措置等に関する法律案」。
国債をNISAの非課税対象に
法案の柱は、NISAの対象商品に「国債」を加えることと、国債の相続税を非課税とする方向での検討だ。玉木代表はXで「長期国債や超長期国債の金利上昇により投資対象としての魅力が増す中、国債をNISAの対象とし、現役世代の安定的な資産形成を応援します」と説明。あわせて「相続税免除により高齢層の需要も期待できます」とし、若い世代と高齢者の双方に国債への投資を促す狙いを示した。
そもそもNISAとは、なぜ国債なのか
NISAは、投資で得た利益(分配金や売却益)にかかる約20%の税金を、一定額まで非課税にする制度だ。現在の対象は主に株式や投資信託で、国が発行する「国債」は含まれていない。国債は、国がお金を借りるために発行する証書で、満期まで持てば元本と利子を受け取れる、株式に比べて値動きの小さい資産とされる。
背景にあるのが「金利のある世界」への転換だ。長くゼロ金利が続いた間、国債の利回りは低く投資妙味に乏しかったが、近年の金利上昇で長期・超長期国債の利回りは上向いている。値動きの穏やかな国債をNISAに組み入れれば、株式投資に慎重な層も参加しやすくなる、というのが提案の理屈だ。
日銀の保有減、「受け皿」を個人に
国民民主党はもう一つの狙いとして、国債の「安定消化」を挙げる。日銀は大規模な金融緩和を修正する過程で、大量に買い支えてきた国債の保有を段階的に減らしている。これまで最大の買い手だった日銀が退けば、国債の需給が緩み、金利が急騰(=国債価格が下落)しかねない。
玉木代表は「日銀の国債保有比率が引き下げられている中、個人の保有比率が高まれば国内の安定消化に寄与します。これにより金利急騰を抑え利払費負担を軽減できれば、財政健全化にも資することになります」と指摘。個人が国債の「受け皿」となる仕組みをつくることで、金利上昇と国の利払い費の膨張を抑える効果を見込む。党の公式サイトも、法案の背景として「金利のある世界」「家計金融資産の偏在」「NISA利用層の偏り」「国債の保有構造」の4点を挙げている。
今後の焦点
法案は与党ではなく野党・国民民主党による議員立法で、成立には与党を含む幅広い賛同が必要になる。国債の個人保有をどう広げるかは与野党で関心が高いテーマで、審議で他党がどう応じるかが焦点となる。玉木代表は「今こそ実現すべき政策です。応援をお願いします」と実現に意欲を示した。