経済産業省は9月14日、11日に東京で開いた「LNG産消会議2026」の結果を公表した。会議では、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)とマレーシア国営石油会社ペトロナスのペトロナスLNG社が、「緊急時におけるLNGの安定供給連携枠組み」で合意したと発表された。

緊急時のLNG確保へ、政府系機関が合意

LNG(液化天然ガス)は、天然ガスを強く冷やして液体にしたものだ。体積が大きく縮むため、パイプラインのない遠方へも専用船で運べる。日本の火力発電と都市ガスはこの輸入に支えられており、産出国から日本へ運ぶ経路が滞れば、電力とガスの供給に直結する。

JOGMECの説明によると、今回の枠組みは、電力とガスの安定供給に支障が生じる恐れがある緊急時に、日本へのLNG供給の確保に資する内容で、日本とマレーシア双方のエネルギー安全保障の強化につながることが期待されるという。JOGMECは石油・天然ガスや金属鉱物の安定供給を担う政府系機関で、国家石油備蓄の管理も受け持つ。合意は2025年のLNG産消会議で公表した「戦略的LNG取決めに関する協力覚書」に基づく。発表は赤澤経済産業相、ペトロナスのダトゥック・アディフ・ズルキフリ最高経営責任者(CEO)、JOGMECの髙原理事長が並んで行った。

「供給源の多角化」「緊急時の備え」を大臣が発信

赤澤経済産業相は閣僚級セッションの冒頭で、中東情勢を踏まえたエネルギー安定供給確保の教訓を念頭に、「供給源の多角化」「市場の多角化・拡大」「緊急時の備え」の3点の重要性を訴えた。

会議は今回で15回目、経産省と国際エネルギー機関(IEA)の共催は4度目になる。テーマは「将来に向けたLNGの推進『強靭性と信頼性』」で、対面の参加者は約340人、参加国は20か国にのぼった。両者がまとめた共同議長サマリーは、最近の中東における危機が「エネルギー安全保障が依然としてエネルギー政策の中心的な柱であること」を改めて示したとし、市場流動性の向上、供給源の多角化と投資の確保、供給途絶への対応能力の向上、メタン排出の管理を含む温室効果ガス削減の4点を重要な措置として挙げた。

モンテネグロとも覚書、IEA事務局長とも会談

会議に合わせ、日本政府とモンテネグロ政府はエネルギー分野の協力覚書を結んだ。LNG受入基地の整備の検討、LNGサプライチェーンの構築、天然ガスインフラの整備、ガス火力発電、エネルギー安全保障の強化に加え、高効率発電技術や送配電インフラなど電力分野での協力も対象に含む。赤澤経済産業相はモンテネグロのアドミル・シャフマノヴィッチ・エネルギー鉱業相と会談し、両国の経済協力を深める重要性を確認した。

赤澤経済産業相は14日にはIEAのファティ・ビロル事務局長とも会談している。経産省によると、大臣は中東情勢を受けた「パワー・アジア」「パワーGX」の取り組みを説明し、国際エネルギー市場の安定化に向けたIEAの指導力に期待を示した。ビロル事務局長からは、アジアにおける日本の指導力への謝意と評価が示されたという。共同議長サマリーの全文は、LNG産消会議2026のウェブサイトで公表されている。