消費者庁は9月11日、消費生活用製品安全法に基づいて報告された重大製品事故27件を公表した。特記事項として挙げたのは、すでにリコール(無償交換や回収)が実施されている4社の製品で火災などが起きた事例だ。メーカーが交換や回収を告知した後も、対象製品が各家庭に残ったまま使われ続けている実態が浮かぶ。

電気ケトル、スピーカー、電動アシスト自転車、高圧洗浄機

特記事項に挙がったのは、株式会社グループセブジャパンが販売した電気ケトル(電源プレートの無償交換)、アンカー・ジャパン株式会社が輸入した充電式スピーカー(回収・交換)、ブリヂストンサイクル株式会社が製造した電動アシスト自転車(無償交換)、株式会社サイン・ハウスが輸入した充電式高圧洗浄機(回収・交換)の4件である。

電気ケトルは、グループセブジャパンが2025年9月16日に無償交換を告知した案件だ。同社の発表によると、2021年10月から24年7月までに製造された特定の製造ロットで、電源コードの不適切な使用によって電源プラグが破損し、コンセント近辺での発煙や発火に至る可能性が確認された。構造の異なる電源プラグを備えた電源プレートに交換する。

充電式スピーカーは、アンカー・ジャパンが2025年10月21日に発表した4製品の自主回収に含まれる。同社は、電池セルの製造を委託していたサプライヤーの工程で電極体の切断時に生じる細かな異物が適切に処理されず、電池セル内に混入して内部短絡が起こりうる状態で出荷されたと説明している。電動アシスト自転車は、ブリヂストンサイクルが2022年4月に告知したバッテリー(形式名称C301、C400)の無償交換で、2016年8月から18年12月までに製造された分が対象だ。高圧洗浄機は、サイン・ハウスが2025年8月4日から回収・交換を受け付けている「SPICERR ポケッタブル高圧洗浄機」で、バッテリーセルの製造上の問題により発煙・発火が起きたとしている。

法律で義務づけられた事故報告

今回の公表は、消費生活用製品安全法(消安法)第35条第1項に基づく制度によるものだ。同項は、消費生活用製品の製造または輸入の事業を行う者に対し、自社の製品で重大製品事故が生じたことを知ったときは、製品の名称・型式、事故の内容、製造・輸入した数量と販売した数量を内閣総理大臣(消費者庁)に報告するよう義務づけている。報告の期限と様式は内閣府令で定められている。

重大製品事故とは、製品事故のうち、生じた危害またはそのおそれが重大なものとして政令の要件に当たるものを指す。死亡や重傷、火災などが該当し、消費者庁は報告を受けた事案を随時公表している。リコール実施中の製品による事故は、この公表のなかで「特記事項」として区別され、注意喚起の対象となる。

手元の製品が対象か確かめるには

リコールは告知しただけでは事故を防げない。数年前に買った家電やバッテリーは、購入時の記憶も薄れ、メーカーからの案内が届かないまま使い続けられることが多いためだ。今回の4件も、告知から1年以上、電動アシスト自転車に至っては4年以上が経過している。

消費者庁はリコール情報サイトで、製品名やメーカー名から対象品を検索できるようにしている。各社も専用の受付ページやフリーダイヤルを設けており、たとえばグループセブジャパンは電気ケトル本体の底面にある製品品番と4桁の番号で対象かどうかを判別する方式をとっている。

リチウムイオン電池を内蔵した製品が対象の場合は、扱いにも注意が必要だ。サイン・ハウスは、対象製品を持っている場合は使用を中止したうえで動作しなくなるまで放電し、放電後は充電せず、高温多湿を避けて風通しのよい場所に保管するよう呼びかけている。