厚生労働省が6月3日に発表した2025年の人口動態統計(概数)によると、2025年に国内で生まれた日本人の子どもの数(出生数)は67万1236人だった。1899年(明治32年)に統計を取り始めて以来、最も少なく、10年連続で過去最少を更新した。前の年より1万4937人(2.2%)減った。
あわせて公表された合計特殊出生率は1.14で、前年の1.15から0.01ポイント下がり、こちらも過去最低となった。低下は10年連続だ。
合計特殊出生率は、1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数を示す指標だ。今の人口を将来にわたって保つには、およそ2.07が必要とされる。日本はこれを大きく下回る状態が長く続いており、1.14という数字は、人口の減少がこの先も避けられないことを示している。
一方で、出生数の減り方には変化もみられた。2025年の減少率はマイナス2.2%で、近年はマイナス5%前後の急な落ち込みが続いていたのに比べると、減り幅は緩やかになった。ただし、これは減少が止まったことを意味するわけではなく、少子化の流れそのものは続いている。
少子化が進む背景には、結婚する人が減っていることや、結婚する年齢が上がっていること(晩婚化)、子育てや教育にかかる費用の重さ、働き方や価値観の多様化など、いくつもの要因が絡み合っているとされる。出産の多くが結婚した夫婦のもとで起きている日本では、婚姻数の減少が出生数の減少に直結しやすい。
出生数の減少は、将来の働き手や、年金・医療・介護といった社会保障を支える世代が細っていくことを意味する。政府は、児童手当の拡充や保育サービスの充実などを柱とする「こども・子育て支援」の強化を進めている。2023年に発足したこども家庭庁を中心に、若い世代の所得を増やす取り組みや、共働きで子育てをしやすい環境づくりなどを掲げ、少子化への対応を国の重要政策に位置づけている。