総務省は7月10日、2025年度(令和7年度)の地方税収入決算見込額(速報値)を公表した。都道府県と市町村が集めた地方税の合計は、特別法人事業譲与税を含めて50兆141億円となり、前年度の決算額より5.2%(2兆4604億円)増えた。地方税収が50兆円を超えるのは初めてで、過去最高を更新した。年度当初に組んだ地方財政計画の見込み額も、2兆2178億円(4.6%)上回った。地方団体からの速報値を集計したもので、最終的な決算額とは差が出る可能性がある。
個人住民税が2桁の伸び
税目別で伸びが目立ったのは、住民が前年の所得に応じて納める個人住民税で、15兆5225億円と前年度比12.9%(1兆7789億円)増えた。給与の上昇で所得が増えたことに加え、前年度(2024年度)に実施された1人あたりの定額減税がなくなった反動が大きい。減税で落ち込んだ前年の税収と比べるため、伸び率が実態以上に大きく見える面もある。
企業関連では、法人事業税と法人住民税を合わせた「地方法人二税」が、企業収益の好調を背景に3.2%増の10兆6077億円となった。
固定資産税は初の10兆円台
土地や家屋、設備にかかる固定資産税は2.4%増の10兆2066億円で、初めて10兆円を超えた。住宅の新築・増築が堅調だったことが押し上げた。買い物などにかかる地方消費税は、物価高で消費額全体が膨らんだことを受けて0.8%増の6兆9675億円だった。
「自主財源」の増加が意味するもの
地方税は、国から配られる地方交付税や国庫支出金と違い、自治体が使い道を自由に決められる「自主財源」の柱だ。税収が増えれば、道路や福祉、教育といった行政サービスを、国の配分に頼らずに安定して賄いやすくなる。好調な税収は、来年度の予算編成や、国と地方の財源をどう分けるかの議論にも影響する。
一方で、今回の大幅増には定額減税の反動という一時的な要因も含まれており、来年度以降も同じ勢いが続くとは限らない。総務省は今後、各自治体の実際の収入を踏まえ、最終的な決算額を確定させる。