立憲民主党の水岡俊一代表は9月14日、国会内で定例記者会見を開き、食料品の消費税減税をめぐって「年内にも住民税非課税世帯に一定の給付を行うべきだ」と述べた。政府が来年春からの1%への引き下げと、減税分を補う給付を組み合わせる方針であることに触れ、給付額や対象者、所得による区分の仕組みなど不明な点が多いまま閣議決定を進めることに疑問を呈した形だ。

政府案は「2年間の1%」と支援金の組み合わせ

政府が8月5日に閣議決定した「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針」は、令和11年度の本格導入までの「つなぎ」として、2年間に限った飲食料品の消費税率の臨時的な引き下げと、飲食料品にかかる消費税1%相当分の範囲で実施する支援金制度を組み合わせるとしている。内閣官房が9月8日の社会保障国民会議実務者会議に示した大綱案によると、期間は2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間で、対象は軽減税率が適用されている飲食料品。税率は国税0.78%と地方税0.22%相当分を合わせた1%で、現在の8%から下がる。1000円の食料品なら、税込み1080円が1010円になり、70円安くなる計算だ。

減税と組みで導入されるのが「就業者負担軽減支援金」だ。大綱案は、税と社会保険料の負担額から年金などの現金給付を差し引いた「純負担」の水準を踏まえ、所得に応じて額を決めると説明している。一定の勤労所得がある人を対象に、働くほど支援額が増える範囲を設けたうえ、19歳未満の扶養親族の数に応じた「こども加算」や、「年収の壁」に配慮した就業促進特例加算を積む構造になっている。支給は市町村が年1回行い、公金受取口座を登録している人には請求なしで市町村長が職権で認定できる。ただし支援基本額や所得の上限額といった肝心の数字は、大綱案の段階では「検討し定める」と書かれているだけで、具体的な額は示されていない。水岡代表が制度設計への疑問として挙げたのは、この部分にあたる。

減税と支援金の役割は異なる。減税は買う人すべてに一律で効く一方、支援金は所得に応じて額が変わり、働く量を増やしても手取りが減らないようにする狙いを持つ。財源について大綱案は、特例公債(赤字国債)に頼らず、補助金や租税特別措置の適正化、歳出・歳入全般の見直しで確保すると明記している。

内水氾濫「浸水想定区域図の作成と公表を進めるべきだ」

水岡代表は会見の冒頭、令和8年8月千葉豪雨から1カ月が経ち、その後も北陸地方や東海地方で豪雨被害や大規模な冠水が起きていると述べた。今年は都市部での内水氾濫が目立つとして「被害を少しでも少なくするため、まずは自治体における浸水想定区域図の作成や見直し、公表を進める必要がある」と指摘し、「政府に対しても、技術、人材、費用の面から支援を行う必要がある」との考えを示した。

内水氾濫とは、川があふれるのではなく、下水道や排水路が降雨量に追いつかず、市街地に雨水がたまる現象を指す。国土交通省の内水浸水想定区域図作成マニュアルによると、2015年の水防法改正で、内水により相当な被害が生じるおそれがある下水道について、想定し得る最大規模の降雨に対する雨水出水浸水想定区域を指定することが必要になった。2021年の改正では、水位を住民に知らせる「水位周知下水道」以外でも同じ区域の指定が求められるようになっている。区域図は、避難情報などを書き込んだ内水ハザードマップの土台になる。

辺野古「中止すべき」 知事選は移設容認派が14万7064票差で当選

沖縄県知事選については、現職の玉城デニー氏が敗れた結果を「大変残念」としつつ、真摯に受け止めるとした。党として推薦などの機関決定はしていなかったが、水岡代表自身が支援し、多くの党所属議員も支援に入ったと説明している。宜野湾、沖縄、石垣の3市議選では公認候補3人が全員当選した。

基地政策では「立憲民主党として辺野古基地建設は中止すべきとの立場に変わりはない」と述べ、新知事に対し、県内に多様な意見があることや普天間基地の返還が本当に実現するのかという点を踏まえ、丁寧に県民の声を聞くよう求めた。

一方、県選挙管理委員会の最終の開票速報によると、9月13日の知事選で辺野古移設を容認する古謝玄太氏が42万3124票を獲得し、移設反対を掲げた玉城氏の27万6060票を14万7064票上回った。投票率は前回2022年の57.92%から61.57%に上がり、投票者数は71万7714人に達している。同日の県議補選うるま市選挙区でも、容認派の高屋ゆう氏が2万8723票で、2万4476票の照屋タイガ氏を破った。

政府は9月中に大綱を決め、10月召集の臨時国会に関連法案を提出する方針を示している。支援金の額を左右する所得下限額や上限額は政令で定めるとされており、水準がいつ示されるかが次の節目となる。