サイバーエージェント次世代生活研究所は9月15日、小学生から社会人までを対象にした「若者の生成AI利用実態調査」の第1回結果を公表した。生成AIを日常的に使っている人の割合は高校生が83.3%で最も高く、小学生の29.0%、中学生の47.6%から学齢が上がるにつれて急速に高まっていた。一方で社会人になると下がり、生成AIの利用は学生時代を頂点とする「山型」を描いていた。

小学生29.0%、中学生47.6%、高校生83.3%

調査はインターネットリサーチで、2026年7月13日から31日にかけて全国を対象に実施した。スクリーニング調査は1万サンプル、本調査は1,648サンプルで、15歳未満については保護者の代理回答・同席回答を含む。

日常利用率は、小学生29.0%、中学生47.6%、高校生83.3%と学齢とともに上がり、大学生(Z世代)も82.4%とほぼ同じ高さを保っていた。ところが社会に出ると水準が落ち、Z世代の社会人は56.7%、ゆとり世代は54.6%。高校生の83.3%と比べると、いずれも3割近く低い。学校で課題やレポートに向き合う時間が長い時期に利用が集中し、仕事に就くと勤務先のルールや扱う情報の制約が加わるため、日常的に使う場面がかえって狭まる構図がうかがえる。

ChatGPTとGeminiの二強 高校生で「使い分け」が広がる

日常的に使うサービスは、すべての世代・学齢でChatGPTが1位、Google Geminiが2位だった。3位以下は区分ごとに顔ぶれが入れ替わるものの、いずれも1桁台から10%台にとどまり、二強の構図は共通している。

水準そのものは学齢で大きく違う。ChatGPTは小学生20.0%、中学生39.0%に対して高校生68.8%。Geminiも小学生12.3%、中学生17.1%から高校生40.3%へ高まる。どのサービスを選ぶかが変わるのではなく、使う人そのものが増えることで差が生まれている。

複数を併用する動きも高校生から広がる。日常的に使う生成AIが3種類以上ある人は、小学生3.1%、中学生4.0%に対し、高校生は15.5%と約4倍。大学生(Z世代)では19.9%に達した。用途ごとに道具を持ち替える使い方が、高校生のあたりから定着し始めていることになる。

「疑って確かめる」姿勢も高校生を境に変わる

調査は、生成AIの答えをそのまま受け取らずに確かめる意識も尋ねている。「AIの回答には、嘘や間違った情報(ハルシネーション)が混ざることがあると常に意識している」と答えた人は、中学生の56.1%に対し、高校生では71.1%だった。

同じ傾向は具体的な行動にも表れている。「AIがおすすめした商品をSNSのリアルな口コミで確かめる」は中学生41.5%から高校生62.2%へ、「AIが提示したスペックや価格を企業の公式サイトやECモールで確認する」は中学生38.6%から高校生59.8%へと、いずれも高校生で大きく上がった。使う量が増える段階で、確かめ方も一段階進んでいる。

研究員の根本晋太郎氏は総括で、高校生前後が生成AIの使い方が形づくられる時期だとして、学校や家庭に加えて企業からも適切な使い方を伝えていくことが求められるとの見方を示した。

学校での利用は文科省ガイドラインが土台

ハルシネーションは、生成AIがもっともらしい文章を作る仕組み上、事実と異なる内容を自信ありげに出力してしまう現象を指す。文部科学省が2024年12月26日に公表した「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」(Ver.2.0)も、この性質を前提に学校での扱いを整理している。

ガイドラインは、児童生徒に使わせる際、年齢制限をはじめとするサービスの利用規約から「利活用に当たってのリスクが許容できること」を校長と担当教師が確認し、必要に応じて保護者の理解を得たうえで、教師の指導監督のもとで使わせる必要があるとしている。出力の正確性・事実関係の確認を指導することも求めており、情報の真偽を確かめるファクトチェックについては、発信者・発信時期・内容・他の情報との比較といった複数の方法を組み合わせる必要があると注記した。検索エンジンの結果自体に生成AIの出力が混じっている可能性にも触れている。

今回の調査で高校生の71.1%がハルシネーションを意識していたのは、こうした指導が届き始めた結果とも読めるが、裏を返せば残る3割近くは意識していないことになる。中学生では56.1%にとどまり、利用率が既に半数近い段階で「確かめる」姿勢が追いついていない。

同研究所は第2回として「世代別・性別に見る生成AIの使い道」をまとめ、実際に何に使われているのかを7つの用途に分けて分析した結果を2026年9月後半に発表する予定としている。