総務省は9月15日、北海道夕張市の財政再生計画の変更に総務大臣が同意したと発表した。市議会が9月8日に変更を議決し、同じ日に夕張市長が北海道知事を通じて総務大臣に協議していた。今年度に入って4度目の変更で、前回の同意は7月21日だった。
増やしたのは消防の装備と返還金
総務省が公表した概要によると、変更は令和8年度予算について「その後に発生した新たな事情に早急に対応するため」に歳入・歳出額を組み替えるものだ。一般会計の歳入・歳出はそれぞれ1億9600万円増え、総額は113億9434万円となる。
最も大きいのが、水槽付き消防ポンプ自動車の更新に充てる1億3100万円。もともとは令和10年度に更新する予定だった車両で、老朽化が進んで安全性に懸念があること、注文から納車までの期間が長くなっていること、今年度は民間法人の助成金を使える見込みがあることを踏まえ、2年前倒しで着手する。財源は地方債6100万円と諸収入7000万円などを充てる。
2件目は市営住宅の消火ポンプ取り替えで600万円。賃貸住宅「憩1号棟」の消火ポンプが今年2月に凍結で壊れ、消火栓が使えない状態になっていた。入居者の安全確保のための修繕費を一般財源で計上する。3件目は3300万円の返還金で、令和7年度に国と北海道から受け取った支出金のうち、実績が交付時の見込みを下回った分を返す。
予算の組み替えにも国の同意が要る
財政再生計画は、財政健全化法(地方公共団体の財政の健全化に関する法律)に基づき、赤字や借金の重さを示す指標が国の定めた基準を超えた自治体が作る再建計画だ。同法10条6項により、計画を変更するには市議会の議決に加えて、都道府県知事を経由した総務大臣の同意が必要になる。消防車1台の更新時期を早めるといった判断にも国の同意が要る点に、この制度の重さが表れている。計画期間、財政再生の基本方針、再生振替特例債の年度ごとの償還額は今回も変更していない。
返済は今年度が最後の年
夕張市の計画は平成21年度を初年度とし、令和8年度は18年目にあたる。初年度に発行した再生振替特例債は321億9900万円。過去にふくらんだ赤字を長期の借金に置き換え、毎年少しずつ返す形にした特例の地方債で、市はこれを十数年かけて返し続けてきた。
計画では、この特例債の償還は令和8年度の25億5844万円で終わる。借金返済に充てる公債費は今年度の37億1450万円から翌令和9年度には10億6244万円へ下がり、一般会計の総額も113億9434万円から81億4969万円に縮む。計画の年次表は令和11年度まで組まれており、市の財政運営は返済中心の局面から次の段階へ移る。
