政府が新設を目指す「防災庁」の設置法案が、今の国会で成立する見通しとなっている。災害対応の「司令塔」として内閣の直属に置く新しい役所で、政府は2026年11月ごろの発足を目指している。

防災の「司令塔」を内閣直下に

現在、国の防災を担当しているのは内閣府の一部局だ。大きな災害が起きるたびに、各省庁にまたがる対応の調整が課題となってきた。防災庁は、この防災担当を格上げし、内閣の直属に置く専任の組織とする。

その役割は、災害が起きてからの応急対応にとどまらない。ふだんからの備え(事前防災)に力を入れ、発災時の対応、その後の復旧・復興までを一貫して受け持つ「司令塔」と位置づけられている。近年、大きな地震や豪雨災害が相次ぐなか、防災を専門に担う常設の組織が必要だと判断された。

他省庁への「勧告権」を持つ

防災庁には、専任の大臣を置く。政府全体の防災の取り組みを引っ張り、加速させるため、他の省庁に対して防災対応を促す「勧告権」を持たせる。勧告権とは、必要な対策を取るよう他省庁に強く求めることができる権限だ。省庁の縦割りを超えて対応を進める狙いがある。専門知識を持つ人材と予算を備えた組織にするとしている。

法案審議と発足の見通し

政府は2025年12月26日、「防災立国の推進に向けた基本方針」を閣議決定し、防災庁設置の方向性を固めた。これを受けて設置法案を2026年3月に閣議決定して国会に提出。法案は衆議院を通過し、参議院で審議されている。今の国会での成立が見込まれている。

成立すれば、政府は2026年11月ごろの発足を目指す。実際の設置日は、今後定める政令で決める。災害の多い日本で、政府の防災体制を立て直す節目となる。