海上保安庁は9月20日午後9時5分、防衛省の情報として、北朝鮮が同日午後5時54分ごろ、北朝鮮東岸付近から少なくとも1発の弾道ミサイルを北東方向へ発射したと公表した。最高高度は約70キロ、飛翔距離は約590キロで、落下したのは日本海の日本の排他的経済水域(EEZ、沿岸から200海里=約370キロまでの海域で、沿岸国が漁業や資源開発の権利を持つ)の外側と推定している。北朝鮮による発射はこの日2回目だ。
2発目は高度も距離も1発目を上回る
1発目は同日午後3時ごろ、同じく北朝鮮東岸付近から北東方向へ発射され、最高高度は約60キロ、飛翔距離は約440キロだった。海保が午後6時15分に諸元を公表している。2発目は最高高度が約60キロから約70キロへ、飛翔距離が約440キロから約590キロへと、いずれも1発目を上回った。落下地点はどちらもEEZの外側と推定されており、海保の発表に被害を伝える記述はない。
防衛省は2発とも「詳細については現在日米韓で緊密に連携して分析中」として、ミサイルの種類や発射の意図についての評価には踏み込んでいない。海保が公表したのは発射の時刻と方向、最高高度、飛翔距離、落下海域の5点にとどまる。
総理指示は2回とも同じ3項目
高市早苗首相は1発目を受けて午後3時6分付、2発目を受けて午後6時1分付で総理指示を出し、いずれも官邸サイトの「総理の指示・談話など」に全文が載った。内容は2回とも同じで、(1)情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して迅速・的確な情報提供を行うこと(2)航空機、船舶等の安全確認を徹底すること(3)不測の事態に備え、万全の態勢をとること——の3項目である。
官邸の新着情報欄には同日付で「北朝鮮による弾道ミサイル発射事案に係る関連情報について」のお知らせが2件、総理指示の掲載が1件並んだ。第2次高市改造内閣は9月17日に発足したばかりで、新体制が動き出して最初の週末の対応となっている。
海保は6時間で緊急情報6本
海保の発信は3段階で進んだ。1発目では午後3時4分に「ミサイル発射情報」、その2分後の午後3時6分に「ミサイル落下推定情報」を出し、高度や飛翔距離を含む「お知らせ」は約3時間後の午後6時15分だった。2発目も午後5時59分に発射情報、午後6時3分に落下推定情報を出し、諸元を示すお知らせは午後9時5分になった。
つまり、危険を知らせる一報は発射から数分で出る一方、どこまで飛んだかという数字は数時間遅れて示される形になっている。海保はいずれの情報でも「船舶は、今後の情報に留意するとともに、落下物を認めた場合は、近づくことなく、関連情報を海上保安庁に通報してください」と呼びかけた。
今年9日目の発射、8月から間隔が詰まる
防衛省の報道発表一覧によると、「北朝鮮のミサイル等関連情報(速報)」が公表された日は今年、1月4日、1月27日、3月14日、4月8日、4月19日、8月6日、8月12日、8月20日の8日ある。9月20日はその9日目にあたる。5月から7月は公表がなく、8月に入って3日、9月に1日と、夏以降に間隔が詰まっている。
防衛省は9月20日分の詳細を分析中としており、海保は船舶に対し引き続き情報への留意を求めている。
